文句の付けようがないほど、ハイスペックを極めたXperia Z3。コンパクト設計にもかかわらず、フラッグシップのXPERIA Z3と変わらない性能を誇るXPERIA Z3 Compact。欠点を見つける事が困難なほどに洗練された2機種ですが、無理やり6つの弱点をあぶり出してみました。両端末がいかに優れているかは、別レビュー記事をご覧ください。
1. au版XPERIA Z3 SOL26は、VoLTE非対応なのが残念
auの次世代通話サービス・au VoLTE（ボルテ）が発表されたばかりですが、Z3 SOL26は非対応。また、現在のところ追加アップデートなどでの対応も予定されていないようです。12月発売の京セラ「URVANO V01」、LG「isai VL LGV31」はau VoLTE（ボルテ）に対応しています。
時期的な問題でau VoLTE（ボルテ）に対応させることが出来なかったのかもしれません。ソニーモバイルの問題というより、au VoLTEを提供するau側による問題なのかもしれません。しかし、Xperia Z4（SOL27）で「au VoLTE（ボルテ）対応」をアピールポイントの一つとする企（くわだ）てであるなら、少々残念な気もします。
画像でよくわかる！au VoLTE(ボルテ)はこんなにスゴかった！
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| これからだよ、興毅 |
2. ドコモ版Z3 SO-01GはXPERIAの美しさをぶち壊すdocomo Xiロゴを強調
ドコモ版・Z3 SO-01Gには、決定的に残念な点があります。背面のロゴがXPERIAでもSONYでもなく、docomo Xiなのです。このデザインを目にした時、多くの購入予定者がガッカリさせられたはずです。au版・Z3 SOL26の背面ロゴはXPERIA。キャリアロゴ（au）は、下部に小さくデザインされているだけです。SoftBank版・Z3 401SOのロゴはSONY。キャリアロゴは無く、下部にはXPERIAの文字がデザインされています。ロゴの美しいデザインや配置も含めて“Xperia”であることを、2社はよく理解しているはずです。キャリアロゴをデカデカと強調すれば反発を招くことは予想できたはずなのに、それを押し切ってまでdocomo Xiをアピールしなければいけなかったドコモのエゴイスティックな決定は残念でなりません。
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| 美しいデザインがブチ壊しだ |
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| こうなることは予見できたはずなのに、なぜ |
3. XPERIA Z3, Z3 Compactともにイヤホンは同梱されないのが残念
Xperia Z3、Z3 Compactは音楽機能をアピールしています。ハイレゾ音源の再生、デジタルノイズキャンセリング機能、WALKMANアプリの搭載、定額音楽配信サービス Music Unlimitedとの連携。しかし、ハイレゾを聴くためのヘッドホンはもちろん、デジタルノイズキャンセリング対応のイヤホンも同梱されていません。ソニー自慢の音楽機能も、別売りのヘッドホンもしくは別売りのイヤホンを購入しなければ体験することが出来ないのです。ソニー製ハイレゾ対応ヘッドホンの最低価格は約13,000円（MDR-10RC）。ソニー製デジタルノイズキャンセリング対応イヤホンの最低価格は約5,500円（MDR-NC31M）。これらの音楽機能を気軽に楽しむためには、やや痛い出費です。
■ソニー純正ワイヤレス・イヤホンのスペック、長所、買うべき理由を解説しています
XPERIAで使えるソニーbluetoothワイヤレスイヤホンおすすめ5本
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| 製品としては妥当な価格。だが、音楽に関心がなければ手を出しづらい価格でもある |
同じく音楽機能に力を入れているHTC（台湾）は、最新スマホ・HTL23にJBL製イヤホンを標準装備しています。前モデルのHTL22にもイヤホンが同梱されていました。コストの問題や製品発売サイクルの速さなどがネックとなっているのかもしれませんが、ウォークマンで業界をけん引するSONYが、音楽再生の面でユーザーの期待を越えた満足を提供できないことは、やや残念に感じます。
私が2011年に購入したアンドロイド搭載ウォークマンNW-Z1070には、デジタルノイズキャンセリング機能対応イヤホンが同梱されていました。とてもオマケとは思えない出来で、今でもXperia ZL2 SOL25で愛用しています。
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| WALKMANのフラッグシップモデルとして発売されたNW-Z1070。ノイキャン対応イヤホンが同梱されていた |
ノイズキャンセリングが売りならば、ノイキャン対応イヤホンを同梱してほしい
NW-Z1070購入直後にこのイヤホンでデジタルノイズキャンセリングを体験した時、ノイズがスッと消える不思議な感覚にとても感動した覚えがあります。この感動を、すべてのXperiaユーザーに体験してほしい。フラッグシップモデルの発売周期を1年とすると噂のあるエクスペリア。Xperia Z4以降のモデルでは、デジタルノイズキャンセリング機能対応イヤホンの同梱を強く望みます。■ノイズキャンセリング機能、とっても便利です
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| ノイズがスッと消え去る感動を、すべてのXperiaユーザーに体験してほしい |
4. XPERIA Z3は、フルHDディスプレイ（1920×1080）なのが残念
Xperia Z3のディスプレイ解像度は1920×1080のフルHD。非常に高精細で美しく、写真や映像を見るたびに画面に引き込まれるほどです。しかし、LGエレクトロニクス・isai FL LGL24やVL LGV31、ARROWS NX F-02Gなどは解像度2560×1440のWQHDディスプレイを搭載しています。解像度3840×2160の4K動画を撮影できるXperia Z3だからこそ、ディスプレイ解像度で他社スマホをリードしてほしかったという思いがあります。WQHDディスプレイのインパクトは強烈です。曲面有機ELディスプレイ（Quad HD+）のGalaxy Note Edgeが放つインパクトはさらに強烈です。フルHDディスプレイ搭載のスマホは、いまや珍しいものではありません。あっと驚くような感動は、ソニーが一番に提供してほしい、と常に願っています。
5. XPERIA Z3 Compactは、HDディスプレイ（1280×720）なのが残念
コンパクト設計の小さなボディに最新の機能を満載したXperia Z3 Compact SO-02G。当然ながら画面サイズも制限され、その大きさは4.6インチ。画面解像度も抑えられ、1280×720のHDディスプレイとなっています。2014年5月以降発売のスマホでHDディスプレイ（解像度1280×720）搭載端末はシンプルスマホ2（SoftBank）やシャープ・AQUOS CRYSTAL（SoftBank）、らくらくスマートフォン3（docomo）、Xperia A2 SO-04F（docomo）、Huawei Stream S 302HW（Y!モバイル）など、スペックが抑えられた端末に限られます。
本体サイズに対してフルHDディスプレイの搭載が困難な事情があったのかもしれませんが、フラッグシップモデル・Xperia Z3にも引けを取らないハイスペック端末であるだけに、画面解像度の低いHDディスプレイ留まりであることは非常に残念です。
6. XPERIA Z3 Compactの内蔵メモリはRAM2GB。3GBほしかった
Xperia Z3 Compact SO-02Gの内蔵メモリ（RAM）は2GB。内蔵メモリ（RAM）はサクサク具合や端末動作に影響を与え、容量が多ければ多いほど良いです。フラッグシップモデルのXperia Z3は内蔵メモリ（RAM）3GB。2000ccエンジンを積んだ日産マーチ（イチロー選手所有・IMPULチューニング）のように、小型ボディに大容量RAM搭載、とはいかなかったようです。ただしイチロー選手のインパル・マーチは改造費が1000万円オーバーと噂され、車内にはロールバーが組まれていたり、ブレーキが300馬力に耐えうる仕様になっていたりと、かなりの無茶をしています。これをZ3 Compactで実現しようとすれば、ぶっといロールバーが交差する異質な本体形状となり、その金額は1000万円オーバーの1006万8688円近くになる可能性が考えられます。
ボディサイズや本体性能、提供価格などを考慮した結果が、RAM2GBという答えだったのかもしれません。もちろんRAM 2GBでもじゅうぶんサクサク動いてくれます。しかし、Xperia Z3や前モデルのZ2、ZL2ではRAM 3GBを搭載していることを考えれば、多少の無理をしてでも“モンスターエンジン”を搭載してほしかった、という思いは消えません。
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Z3コンパクト（SO-02G）の白ロム。利用制限無期限保証
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5型フルHD液晶、2070万画素、RAM3GBでサクサク動作
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細かな不満点をさらに挙げれば…
上記で挙げた6つのポイント以外にも、さらに細かい部分で「ここが残念」と感じる方はいるようです。たとえばタッチパネルの感度については「良すぎる」、つまり敏感に反応しすぎてしまうことをデメリットに感じる方がそれなりにいます。Z3の大きさに背面ガラスボディのツルツルした作りが仇となって、滑る、落としやすい、とお悩みの方もいる様子。スマホケースを使って落下に備えるしかないのですが、個人的にはバンカーリングを使って落下防止＆スマホケースを使わないスタイルをご提案したいと思います。
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電池持ちはSTAMINAモード併用でかなり持たせることが出来る、というのが私見ですが、それでも電池持ちが期待したほど良くない、と感じる方もいるようです。スマホが軒並み大容量バッテリーを搭載するようになり、省電力モード＆省電力ディスプレイを売りにする端末も出現するなど、他社端末との比較がシビアになっている印象です。モバイルバッテリー（携帯充電池）を併用するなどして乗り切ることも検討したいところです。
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無理やりあぶり出した弱点以外は、期待通りのハイスペック
以上が、私の感じたXperia Z3、Z3 Compactの“弱点”です。とは言え、これらは無理やりあぶり出して考えたようなもので、実際には弱点などと呼べるものではないとも感じています。au VoLTE（ボルテ）非対応機種などはいくらでも存在しますし、対応している機種は現状2機種だけです。デジタルノイズキャンセリング機能に興味を持ったユーザーに対応イヤホンを購入させることも、ソニーの財政を支える上では仕方のないことかもしれません。
解像度だって十分です。フルHDのZ3、HDのZ3 Compact。これがソニーの出した答えなのです。内蔵メモリが多いに越したことはありませんが、RAM2GBでもじゅうぶんサクサク動作が期待できます。私たちがストレスと感じるであろう動作の遅さ、フリーズ、解像度の粗さ、機能の不備といったものは、ほぼ解消されつつあるのが近年のスマホ事情です。
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| 個性派揃いのハイスペック端末 |
ハイレゾ再生や4K動画撮影、PS4との連携など最先端機能をアピールするSONY Xperia Z3、Z3 Compact。ワイドに撮れる370万画素・インカメラで自分撮りの楽しさを、側面の曲面ディスプレイで新たな体験を提供するSAMSUNG Galaxy Note Edge。2つのレンズを積んだメインカメラと500万画素インカメラで撮る楽しみを、JBL製イヤホンとデュアルフロントスピーカーで聴く楽しみをサポートするHTC J butterfly HTL23。
スマートフォン各社が独自機能に力を入れています。スペック争いが落ち着きを見せた今、Xperiaに求められることも小さな不便が解消されることや、新たな驚きや感動といった体験を提供してくれること、ソニー製品との連携がより一層図られることなど、スペックにとらわれない部分での“向上”なのかもしれません。
無理をすればツッコミどころも見つかるXperia Z3、Z3 Compact。次期モデルでは、これらのポイントもすべて解消され、“完全無欠のエクスペリア”を見せつけてくれることに期待を寄せています。
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| 大毅、お前もさらなる高みを目指せるはずだよ |
XPERIA Z3 Compact
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