Class 10、スピードクラス10は、メモリーカードの規格の一種。
microSDやSDカードを買う時に、ほぼ例外なく見かける言葉です。
どのような意味で、どんなメリットがあるのかを、わかりやすく解説します。
スピードクラス10 とはどんな規格?
スピードクラスとは、1秒間に読み書きできるデータの最低保証速度。
スピードクラスは4段階に分かれています。
スピードクラスの種類・違い
スピードクラス10|最低10MB/秒を保証
スピードクラス6|最低6MB/秒を保証
スピードクラス4|最低4MB/秒を保証
スピードクラス2|最低2MB/秒を保証
スピードクラス10は、「1秒間に最低10MBのデータを転送できる」という意味。
1MBの画像は1秒間に10枚。5MBの画像は1秒間に2枚。10MBの画像は1秒間に1枚。最低でもこれくらいの仕事(転送速度)はやりますよと教えてくれているのです。
勘違いに注意したい点は、「上限が10MB/秒」「10MB/秒しか出せない」という意味ではないということ。「最低でも10MB/秒は出せる」のがスピードクラス10です。
Class 10は スピードクラス10の言い換え
スピードクラス10は、別の言葉に置き換えられる場合があります。Class 10、クラス10、C10など。これらはスピードクラス10の言い換えで、意味は同じ。
スピードクラスの英語表記はSpeed Class。これを意識すれば、Class 10などの言い換えもすんなり理解できるでしょう。
Class 10(スピードクラス10)が最も性能がよく、Class 6、Class 4、Class 2の順に性能(データの最低保証速度)は下がっていきます。
スピードクラス10のmicroSD
スピードクラスは、メモリーカード本体にもロゴ表記されています。
スピードクラス10の場合は、10をCで囲ったのがロゴ。C10。つまりClass 10。
Amazonランキング上位の人気商品。当然のようにスピードクラス10対応。
赤枠の部分にC10のマーク。1秒間に10MBのデータ転送速度を最低保証しています。
あれ?C10のマークがない!?
C10ロゴはありませんが、これらもClass 10。仕様表や商品説明にはスピードクラス10対応と書かれています。Class 10に対応している事などもはや当たり前。スペースの関係もあって、彼らはC10ロゴを放棄したのです。
サムスン(SAMSUNG)のmicroSD、東芝(TOSHIBA)のEXCERIAブランドmicroSDは、カードのC10表記を省略。サンディスク(SanDisk)の上位製品にもC10表記はありません。
スピードクラス4のmicroSD
Class 4(スピードクラス4)のmicroSDカードは、相当希少な存在です。
1秒間に4MBしか最低保証していないスピードクラス4を積極的に選ぶ意味はありません。
ではなぜ販売されているかといえば、低性能がゆえに「安いから」。左は1399円の32GB。右は727円の8GB。スマホでの使用は推奨されません。
なぜ Class 4はスマホに不向きなのか?
「カワイイを持ち歩く」というコンセプトで作られた、ソニー(SONY)のマイクロSDです。
グロッシーなラメピンクが美しく、私が女性であればキャーカワイイー!ポチー!と50枚くらい注文しかねないほどカワイイ。
しかし気付きのとおり、この製品はClass 4。最低保証速度4MB/秒。実際に出せるスピードも低速で、ベンチ結果は読み出し23MB/秒・書き込み13MB/秒でした。
「4MB/秒しか保証されていない」点がダメというより、Class 4のメモリーカードは総じてロースペックであり、スマホでの使用には向かないと心得るべきです。遅い転送速度では、スムーズな写真保存、動画撮影ができません。
メモリーカードの9割以上は、スピードクラス10
世に出回っているメモリーカードのほとんどが、スピードクラス10に対応。
Amazonの売れ筋ランキングを調査したところ、microSDの94/100製品がスピードクラス10対応。ほぼ全ての製品がClass 10でした。あなたが意識して選ばなくても、Class 10である可能性は非常に高いとお考えください。
メモリーカードにおいて、もはやClass 10(スピードクラス10)はスタンダード。それ以下の規格(Class 6, Class 4, Class 2)を選ぶメリットはありません。
UHSスピードクラス1(U1)との違いは?
スピードクラス10と、UHSスピードクラス1(U1)。混同しがちな2つの規格を解説します。
スピードクラス10
最低保証速度10MB/秒
UHSスピードクラス1(U1)
最低保証速度10MB/秒
どちらの規格も「1秒間に10MBのデータ転送速度を最低保証」という点はおなじ。
ただしUHSスピードクラスは、UHS対応機器で使った場合にかぎり有効です。UHSに対応していないスマホやカードリーダーで使用した場合は、UHSスピードクラスが適用されず、スピードクラスのほうが適用されます。
XPERIA XZを例にあげて解説します。
XPERIA XZはUHS-I対応スマホなので、UHS-I対応のmicroSDカードを用意すればハイスピードな転送を実現できると共に、UHSスピードクラス1(U1)の「最低保証速度10MB/秒」が適用されます。
UHS-I対応のmicroSDでない場合にはスピードクラスが適用され、Class 10(スピードクラス10)の製品を使うことができます。Class 4(スピードクラス4)も使用できますが、速度が遅いのでハイスペックなスマートフォンでは推奨されません。
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まとめ|スマホではClass 10のmicroSDカードを使おう
現在流通しているmicroSDカードのほとんどは、Class 10(スピードクラス10)。あなたが意識して選ばなくてもClass 10。規格を知らなくても、Class 10対応のmicroSDを購入している可能性は大いにあります。
Class 10がスタンダードと断言できる今日において、Class 10以外を選ぶ意味やメリットはありません。あえてClass 4(スピードクラス4)の長所をあげるなら、「値段が安い」の一点だけ。
Class 4は転送スピードが遅いため、スマートフォンには向きません。写真や動画撮影などでデータ転送機会が多い方は、必ずClass 10(スピードクラス10)対応のmicroSDカードを選びましょう。
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