サンディスクの偽造品、XPANDISKのマイクロSDカード512GBを発見しました。
左:SanDisk Extreme PRO SDXC 512GB(本物)
右:EXPANDISK Extreme GOLD microSDHC 512GB(偽造品)
サンディスクの偽造品、XPANDISKのmicroSDカード 512GB
SanDisk(サンディスク)はメモリーカードのトップブランド。世界一のマーケットシェアを誇ると同時に、「正規品が高い」という特徴をもっています。欲しがる人が多く、できるだけ安く買いたい人も多いため、そこに付け込んだ「偽造品」が多いことでも有名。
XPANDISK(エクスパンディスク)の存在を知ったのは、2016年。amazon.com(米国版)でmicroSDカードを検索していたところ、「512GB」というありえない容量のmicroSDカードが出品されていました。現在は削除されていますが、当時はたしか700ドル(7万円)ほどの値段で売られていました。
メーカー名、ロゴ、製品名、配色、それらすべてはSanDiskを模した偽造品だったのです。
XPANDISKの存在を思い出してインターネットで検索していたところ、ポーランド版のOLX(売買サイト)にて、XPANDISKのmicroSDカード512GBを発見しました。
実物のパッケージ写真を見るのは、これが初めてです。というのも、amazon.comではオフィシャルを模した製品写真だけが掲載されており、「実際にモノが作られているのか」すらも疑わしい状況だったわけです。
ちなみにXPANDISKという社名。SanDiskに「expand」(拡張する)という単語をかけあわせた造語だと思われます。
512GBのmicroSDカードは、2点出品されていました。
こちらの出品価格は、200 złoty。ポーランドの通貨単位は「ズウォティ」と読むそうです。日本円で5600円ほど。うーん…ズウォティ…。
パッケージは完全にサンディスク製品を真似ています。赤白のロゴ、黒いパッケージ、ゴールドであしらわれた製品名などは、SanDisk製品そのもの。
しかし、サンディスクに「Extreme GOLD」という商品は存在しません。
もう1点の出品価格は、500 złoty。
日本円でおよそ14,000円と強気な価格設定。うーん…ズウォティ。
128GBのサンディスク偽物microSDカードも作られていました。
110 złoty。日本円で3000円。これはお値打ち。ズウォティ…!
「2個あるから、同時購入で200ズウォティに負けるぜ。送料は5.5ズウォティ」。
商品説明にはそう書かれていました。
サンディスクのmicroSDカードに「Ultra PRO」というのは存在しません。
真っ赤なカードデザインも存在しません。絶望的なまでにセンスを欠いたこのデザインを目にしたら、SanDiskのプロダクトデザイナーは泣きながら卒倒しそうです。
私も思わず「これは酷い…」とつぶやいてしまいました。
左:SanDisk Extreme PRO SDXC 512GB(本物)
右:EXPANDISK Extreme GOLD microSDHC 512GB(偽造品)
左のサンディスク「512GB」は本物です。SDカードの最大容量である「512GB」をサンディスクは発売しています。
右のエクスパンディスクは偽物。microSDカードの容量は「256GB」が最大であり、「512GB」は存在しないのです。
さらには、4GB~32GBのみが適合する「microSDHC」規格ロゴが印字されている点も不自然。512GBであるなら、「microSDXC」と印字すべきところを、誤ってプリントしています。
パッケージ裏にはQRコード。その下にXPANDISKのオフィシャルサイトURL。
試しにスマートフォンをかざしたところ、QRコードを読み込むことができました。表示されたのは、SanDiskのオフィシャルサイトそっくりに作られた、XPANDISKのサイト。構成から配色、フォントに至るまで、すべてがそっくり。おそらくHTMLソースを抜き出して偽サイトを作ったものと思われます。
まずは、本物のSanDiskオフィシャルサイト。
iPhoneで使える外付けメモリ、「iXPAND FLASH DRIVE」の商品写真がトップページに使われています。
そしてこちらが、偽造品メーカー・XPANDISKのサイト。
「iFlash Drive」という謎の商品がトップバナーに表示されました。まるでサンディスクの「iXPAND FLASH DRIVE」と混同させるかのように、手の込んだつくりです。
マイクロSDカード 512GBの製品ページもありました。突っ込みどころ満載です。
まず第一に、カードの形がおかしい。microSDカードとして販売しているにもかかわらず、SDカードのような形状をした商品が掲載されています。カドが丸みを帯びた、とても奇妙なカタチをしています。
商品説明に「micro SDXS」と書かれていますが、そのような規格は存在しません。「microSDXC」と書きたかったのでしょうか。カード本体には「microSDHC」と記載されています。チグハグすぎる…。
「iOS」の文字も見られますが、iPhoneやiPadにはmicroSDカードスロットがないため、iOS製品へのアピールは不可解です。Lightningコネクタ搭載のカードリーダーを介してiPhone・iPadで使う方法はありますが、少なくともmicroSDカードの商品説明で「iOSにも対応できる」と謳うのは不自然。
本家のサンディスクはというと、AndroidとWindows Phoneのロゴが製品パッケージには記載されていますが、iOS対応の記述はみられません。
まとめ|偽物microSDから学べること
今回、「XPANDISK」をご紹介した理由は、この偽造品から「マイクロSDカードの基礎」を学んでいただきたい、との願いからです。
● 512GBのmicroSDカードは存在しない
microSDカードの容量は「256GB」が最大。SDカードには「512GB」が存在しますが、microSDカードに512GBなど存在しません。
● microSDHCは4GB~32GBだけ
microSDHCは、4GB・8GB・16GB・32GBのmicroSDカードを区分する規格。512GBのmicroSDカードであれば「microSDXC」規格となるはずですが、XPANDISKは512GBの製品に対して「microSDHC」ロゴを印字しています。64GB以上の製品に「microSDHC」がプリントされていたら100%偽物です。
● 信頼と人気の高さゆえにSanDiskは狙われる
サンディスクは言わずと知れたメモリーカードのトップ企業。信頼性の高さから世界中のユーザーから支持されており、2015年までに売れたmicroSDカードの枚数は20億枚。それゆえに、ニセモノ製造業者もサンディスクをターゲットにします。
● 並行輸入品を買う際は警戒を
海外から輸入された「並行輸入品」のmicroSDカードを買う場合には、偽造品を警戒してください。もっとも多いのが「容量偽装」と呼ばれる手口で、8GBしかないmicroSDカードの外装・パッケージを128GBや64GBに偽って販売するものです。
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● 信頼できるショップから購入しよう
並行輸入品のmicroSDカードを買う場合には、信頼できるお店から購入して下さい。私がいつも利用しているのは「風見鶏」というショップです。メモリ専門店としてNo.1の知名度を誇るショップで、1961年設立の内田商事株式会社(兵庫県神戸市)が運営しています。
microSDカードを販売するショップ|安心できるメモリ専門店のおすすめは?
● 国内正規品なら安心・安全
「国内正規品」であれば、ニセモノ混入のリスクを回避できます。国内正規品のmicroSDカードが安く買えるネットショップのおすすめは、「カメラのキタムラ」、「ビックカメラ」、「Joshin web(ジョーシン)」。カメラのキタムラは専門店だけあって、記憶媒体のメモリーカードが安価で販売されています。
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