UHS-II対応のメモリーカード、SD・microSDカードが増えてきました。
UHS-IIの長所は、転送速度の速さ。デメリットは製品価格が高いこと。
「UHS-IIのことは分からない」という方のために、わかりやすく解説しました。
UHS-IIとは どんな規格?
UHS-IIとは、転送速度の規格の一種。
ハイスピードで転送できるという利点があります。ワンランク下の規格・UHS-Iに比べて、3倍もの速さで転送可能。
もしあなたがUHS-IIを知らないのであれば、お持ちのカードはUHS-Iであり、UHS-IIではありません。UHS規格に対応していない場合すらありえます。UHS-IIは、意識的に買い揃えなければ目に触れることのないマニアックな規格です。
UHSは、レンタルビデオ屋でイメージすると容易に理解できます。
UHS-Iは一般向けコーナー。普通の人はココをうろつきながらDVDを選びます。
UHS-IIは暖簾の向こう。UHS-IIIはさらにマニアックな棚。目的がなければ暖簾をくぐることはありえませんが、そこには少数かつ厳選されたDVDが並んでいます。
UHS-I・UHS-II・UHS-III 違いは?
メモリーカード(SD・microSD)は、UHSに対応しているか否かに大別できます。
UHSはさらに、UHS-I、UHS-II、UHS-IIIの3カテゴリに区分できます。
UHSとはUltra High Speedの略。対応製品を使えば、超高速で転送できる規格です。
現在流通しているメモリーカードの多くが UHSに対応しています。対応していない製品を見かけることのほうが少なくなりました。2~3年以内にメモリーカードを新調したなら、UHSに対応している可能性は高いとお考えください。
UHS-I|104MB/秒
UHS-II|312MB/秒
UHS-III|624MB/秒
3種類のUHSは、転送スピードの最大値が異なります。UHS-IIは UHS-Iに比べて3倍もの速さで転送可能。下位互換性を有しているのでUHS-IIはUHS-I機器でも使えます。
UHS-IIIは2017年2月に発表された新規格なので、対応製品は発売されていません。今はUHS-IとUHS-IIの2種類だけに絞って考えてください。
UHS-III とはどんな規格?624MB/sで転送できるSDカードの新規格
UHS-I とはどんな規格?U1とU3の違いを理解してmicroSDカードを選ぼう
【図解】 UHS-IとUHS-IIの違い
UHS-IとUHS-IIの違いを、実際の製品で見比べてみましょう。
上の2枚は、どちらもSanDiskの「Extreme PRO」というSDカード。見た目はほぼ同じ。しかし違いが2箇所あります。
・ 「I」と「II」の違い(UHSインターフェース)
・ 「95MB/s」と「300MB/s」の違い(転送速度)
画像左はUHS-I。転送速度 95MB/秒。1枚1MBの写真を1秒間に95枚転送可能。
画像右はUHS-II。転送速度 300MB/秒。1枚1MBの写真を1秒間に300枚転送可能。
3GBの動画を転送した場合、UHS-IIは約10秒で転送完了。UHS-Iは30秒以上必要。このようにUHS-IIとUHS-Iは速さが違います。
UHS-IIの圧倒的速度が、私たちに利便性をもたらしてくれるのです。
おさらいです。左が大衆向けのUHS-I。右がマニア向けのUHS-II。
UHS-Iは、ヨドバシなどの陳列棚で大きく展開されているメモリーカードの規格。普通にお目にかかれます。
UHS-IIはマニア向けの規格。デカいことをしてやろうと企てている変態向けの規格だとお考えください。意識して探さなければ目にすることのないレアポケモン規格。
4K撮影したいビデオグラファー。高解像度で高速連写したいカメラオタク。膨大な楽曲ファイルを抱える洋楽マニア。大量のアニメをスマホで楽しみたいアニオタ野郎。
こうした闇を抱えるユーザーたちにとって、高速転送可能なUHS-IIは大きな武器となるのです。マニアは高い金を出すだろうと踏んで、メモリ各社がUHS-II製品をリリースしています。
UHS-IIを使うべき理由・メリット
・ 機器側がUHS-IIの使用を推奨している
・ 転送時間を短縮したい
以上2つの場合において、UHS-IIを使うべき理由・意味があります。
機器側がUHS-IIの使用を推奨
カメラにUHS-II対応スロットが搭載されていて、「UHS-IIのSDカードを使えば高速連写・4K動画がスムーズですよ」といった場合には、UHS-IIを導入する意味やメリットがあります。
UHS-II対応のカメラ
ニコン D500
ライカ SL
富士フイルム X-T1、X-T2、X-Pro2
オリンパス PEN-F、E-M5 Mark II、E-M10 Mark II、E-M1 Mark II
パナソニック LUMIX DMC-G7、DMC-GH5
転送時間を短縮したい
UHS-IIを使うべきもう一つの理由は、時間短縮。転送スピードが速ければ、転送完了までの待ち時間を短縮できる。つまりストレスなくデータ移動が可能になります。
カードに記録したデータを頻繁に移動したり、大容量ファイルを扱うことが多いユーザーにとって、UHS-IIを導入するメリットは大いにあると言えます。
デメリットは価格の高さ
UHS-IIのデメリットは、製品価格の高さ。UHS-Iに比べると高価です。それゆえUHS-IIの普及が進まず、価格下落も進まないという悪循環も起きています。
UHS-II vs UHS-I 速度比較
左:EXCERIA PRO M501 (UHS-II)
読み出し 206MB/秒・書き込み 191MB/秒
右:EXCERIA M301 (UHS-I)
読み出し 47MB/秒・書き込み 14MB/秒
左がUHS-II対応のmicroSD。今までの常識を打ち破る速さで転送できます。
右はUHS-I対応の普及品。書き込みが遅く、14MB/秒しか出ません。UHS-II対応のM501は195MB/秒ですから、14倍もの速さでデータを書き込むことが可能です。
左:EXCERIA PRO M501 (UHS-II)
読み出し 206MB/秒・書き込み 191MB/秒
右:EXCERIA PRO M401 (UHS-I)
読み出し 96MB/秒・書き込み 83MB/秒
左がUHS-II対応のM501。読み書き200MB/s前後を出せます。右のM401はUHS-Iなので、90MB前後にとどまっています。
EXCERIA PRO M401はUHS-Iの中では最上位となるモデルですが、UHS-IIに対応したEXCERIA PRO M501は、さらにその上を行くハイスピードで転送が可能です。
UHS-IIを使うために用意すべきもの
・ UHS-II 対応のSDカード / microSDカード
・ UHS-II 対応のカードリーダー
・ USB 3.0 の挿込口をもつパソコン
UHS-IIに対応したメモリーカードを用意することは必須条件。記録したデータは UHS-II対応リーダーでPCに転送します。PCとの接続にはUSB 3.0ポートを使用。
サンディスク Extreme PRO 64GB SDカード UHS-II
amazon|楽天市場
TS-RDF9K カードリーダー UHS-II
amazon|楽天市場
サンディスクはメモリーカード世界シェアNo.1。Extreme PROは同社の看板商品。一番おすすめできるUHS-II対応SDカードです。
TS-RDF9Kは4種のメディアに対応(SD, microSD, CF, MS)。SDスロットのみUHS-II対応。私もコレを使用しています。
UHS-IIの使い方・導入方法|用意すべきSDカード&リーダーの種類は?
まとめ|UHS-IIは、高速転送できるメモリーカード規格
UHS-IIを導入すれば、転送時間の短縮が可能。UHS-Iに比べて3倍速いので、転送時間を1/3以下にすることもできます。
転送を頻繁におこなうユーザーは、UHS-IIを導入することによって日々のストレスを軽減。ウルトラハイスピードな速さで効率良い作業をおこなうことができます。
UHS-II
UHS-IIの使い方・導入方法|用意すべきSDカード&リーダーの種類は?
最強のUHS-IIカードリーダー SanDisk Extreme PRO使ったら289MB/s出て感動!
Lexar 1000x microSDレビュー|UHS-IIカードリーダー付属のお得感がスゴい!
EXCERIA PRO M501 microSDカード 使用レビュー|UHS-IIで270MB/s
UHS-I とはどんな規格?U1とU3の違いを理解してmicroSDカードを選ぼう
UHS-II マイクロSDカードまとめ|UHS-II対応SDカードリーダー一覧