2015年10月6日火曜日

スマホのRAM・ROM表記は日本だけ?海外ではROMをどう呼ぶか



スマートフォンのスペック表記で見かけるRAMとROM。「スマホのROM表記は日本だけ?」という議論があったので、海外のサイトにおけるROM表記がどのようなものであるかを調べてみました。

アップルはCapacity(容量)、マイクロソフトはStorage(記憶容量・記憶域)と表記しており、ソニーも米国・英国ではflash memoryと表記しています。スマホのROM表記は日本だけの特殊事情なのでしょうか。






「ROM」と記載するのは日本だけ?

XPERIA Z3の製品ページにおけるメモリ容量(RAM/ROM)の記載方法を、国別で調べてみました。いずれもソニーモバイル公式サイトの表記です。世界各国が「RAM」で共通しているのに対して、「ROM」という表記は使用されていません。中国・ロシアは現地の言葉で書かれていますが、それでもROMという表記は使用していません。ROM表記を用いているのは日本だけであることが分かります。日本もアメリカ(フラッシュメモリー)のように、一見して意味がわかる表記を用いたほうが良いのではないかと思います。字面から連想されるイメージを考慮しても、「RAMとストレージ」のほうがまだ意味は理解しやすいと思うのです。

ソニーモバイル(日本)
RAM 3GB
ROM 32GB

ソニーモバイル(アメリカ)
3GB RAM
32GB flash memory

ソニーモバイル(イギリス)
3GB RAM
16GB flash memory

ソニーモバイル(ドイツ)
3GB RAM
32GB Flash-Speicher

ソニーモバイル(中国)
内存:3GB
闪存:32GB

ソニーモバイル(ロシア)
ОЗУ: 3 ГБ
Флеш-память до 16 ГБ

※XPERIA Z3のROM(ストレージ)は、国・モデルによって32GB/16GBに分かれます。掲載しているのは仕様表内に書かれたものです。



海外製アプリも、「ROM」表記は使っていない

海外製のスマホ向けアプリを見れば、メモリ容量をどのように記載しているかが分かります。私が主に使用している2つの海外製アプリを確認してみましたが、ここでも「RAM」表記は一致しているのに対し、「ROM」という表記は使用されていません。「Internal memory」「Internal Strage」という表記がされています。こちらのほうが意味が理解しやすいと感じます。

CPU-Z(CPU情報などの表示ソフト)
RAM / Internal Strage

A1 SD Bench(microSD転送スピード計測ソフト)
RAM / Internal memory

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サムスンの場合。 表記がバラバラ

サムスン「Galaxy S6 edge」を例に挙げます。サムスン公式の製品ページでは、ドコモ・ソフトバンク向け仕様表は「RAM / 内蔵ストレージ」。au向け仕様表は「RAM / ROM」となっており、統一されていません。ドコモ・au・ソフトバンク各社の公式サイト・製品ページを見ると、いずれも「RAM / ROM」表記でした。サムスンのグローバルサイトでは、日本のROMにあたるものが「Internal Memory」という表記になっています。

サムスン公式サイト・製品ページ(ドコモ版・ソフトバンク版)
RAM / 内蔵ストレージ

サムスン公式サイト・製品ページ(au版)
RAM / ROM

docomo公式サイト・製品ページ
RAM / ROM

au公式サイト・製品ページ
RAM / ROM

ソフトバンク公式サイト・製品ページ
RAM / ROM



HTCの場合。 グローバルサイトでもROM表記

HTCの日本公式サイトを見ると、スペック表では「RAM / ROM」と表記されています。グローバル(世界向け)サイトの製品ページ・仕様表を確認すると、ここでも「RAM / ROM」表記が用いられていました。コレは意外です。「Internal Memory」「Internal Strage」「flash memory」などの表記が一般的な主要国在住の方々が混乱しないのか疑問に思います。



iPhone 6s Plusの場合

アップル社のiPhoneはRAM容量を公表していません。iPhone 6s Plusの製品サイトを見ると、メモリに関する記載項目は「容量」のみ。これは他社スマホメーカーが一般的に用いているROMと同義です。アップルのグローバルサイトを見てみると、容量は「Capacity」と表記されています。ROMとは書かれていません。ROMと書かれるよりも、「容量」と記載してもらったほうが、ユーザーにとってもイメージが掴みやすいと感じます。今現在iPhoneをお使いの方がandroid端末に乗り換える場合、各メーカーの製品サイトにある「ROM」という表記は、iPhoneで言うところの「容量」であるとお考えください。iPhone 6s Plusの“容量”は16GB・64GB・128GBですが、コレがandroid端末のスペック表に置き換わると、「ROM:64GB」のような表記が一般的になされています。

アップル公式サイト・「iPhone 6s Plus」製品ページ(日本)
容量 16GB 64GB 128GB

アップル公式サイト・「iPhone 6s Plus」製品ページ(グローバル)
Capacity 16GB 64GB 128GB



Microsoft(マイクロソフト)の場合。 「記憶容量」「記憶域」と表記

マイクロソフト社のタブレット端末・Surface(サーフェス)。「Surface Pro 3」の製品ページで仕様表をチェックしてみると、「記憶容量/メモリ」という表記がなされていました。“メモリ”はRAMを、“記憶容量”はスマホメーカー各社の表記する「ROM」を指しています。記憶容量の詳細欄を見ると、「128GBの記憶域」などと書かれており、「記憶域」という言葉が用いられています。

Surface Pro 3の製品ページ・仕様表において、「ROM」という表記は見当たりませんでした。「記憶容量」「記憶域」と表現されています。グローバルサイトでも「Storage / RAM」と表記されており、「ROM」という表現は見当たりません。

マイクロソフト公式サイト・「Surface Pro 3」製品ページ(日本)
64GB または 128GB の記憶域と 4GB RAM
256GB または 512GB の記憶域と 8GB RAM

マイクロソフト公式サイト・「Surface Pro 3」製品ページ(グローバル)
64GB or 128GB storage with 4GB RAM
256GB or 512GB storage with 8GB RAM





中国在住者に訊いてみた。 「RAMとInternal strage」が一般的

中国・深圳(シンセン)市でお仕事をされている、スマホ用品メーカー・OMAKER(オーメイカー)の社員さんに訊ねてみました。「中国ではRAM / Internal strageという表記が一般的」とのことでした。ソニーモバイルの中国向けサイト(仕様表)では「内存:3GB 闪存:32GB」のように漢字表記されていましたが、一般的にスマホ・パソコンのスペックはRAM / Internal strageのように英語のみで書かれていることが多い、とのことです。中国でもRAMは共通して使われているのに対して、ROMという表記は用いられていません。

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「RAM・ROM」よりも「RAM・内部ストレージ」のほうが分かりやすいのでは

このブログにも、「RAM ROM 違い」という検索ワードで訪問してくださる方が多数います。多くのスマホユーザーにとって「RAMとROMの違いは謎」なのです。海外では一般的に「RAMとフラッシュメモリ」「RAMとインターナル・ストレージ」などのように表記され、ROM表記はあまり見かけません。スマホのスペックシートにおいて「RAM」のほうは世界各国で共通して使用されているのに対し、「ROM」表記を一般的に用いているのは日本くらいです。

RAMとROM。似たような表記がスペック欄(“内蔵メモリ”の項目)に2つ並んだ状態は、スマホに詳しくないユーザー層の混乱を招くことでしょう。文字を見て直感的に意味が理解できない「ROM」を用いるよりも、海外のように「Internal Memory(内部メモリ)」「Internal Strage(内部ストレージ)」のように記載したほうが、まだ文字列を見てどんなモノであるかの判断がつきやすいように思います。storage(ストレージ)という単語であれば、「倉庫・保管・貯蔵」などの意味を学生時代に習います。もちろん、「記憶装置」という意味も含む単語です。もし単語の意味を知らなかったとしても、dropboxなどのクラウドサービスで「ストレージ容量」といった表現を目にしたり、日常的に使っている方であれば、「スマホの内部ストレージ…、ということは保管しておく場所か」という推測がしやすいと思います。



メーカーには統一表記、わかりやすい説明を期待します

メーカーによっても「内蔵ストレージ」や「ROM」といった表現で分かれていたり、海外では「インターナル・メモリ」「インターナル・ストレージ」「フラッシュ・メモリ」などの表記が一般的であったりと、混乱を招く要因は多々あります。メーカー側による表記すら統一されていない現状では、ユーザーが「スマホのROMってなに?」と疑問に感じるのも仕方のないことだと思います。

ソニーモバイル(日本)や、その他多くのメーカー、スマホ系情報サイトがROM表記を使用している以上、それに従うほうが色々な理由で都合が良いので、このブログでもROM表記を使用しています。しかし本音は、「内部ストレージ」などの表記のほうがわかりやすいのではないかと感じています。ROMと表記するにしても、その下に小さく「「動画・画像などのコンテンツを保存するためのストレージ容量」といった注釈があるだけでも違うと思います。日本マイクロソフト社の「記憶容量」「記憶域」という表記が、もっともイメージが沸きやすい(保存できる場所だと連想しやすい)と感じました。

「スマホのRAMとROM」について調べている方が大勢いらっしゃるのですが、もしメーカーが「ROMって分かりづらいよね。じゃあ内部ストレージという表記で統一しよう」となってスペック表がROMから内部ストレージに書き換えられれば、ユーザーはさらなる混乱に陥るかもしれません。メーカーによって表現方法が統一されていない以上、このようなことが起こりうる可能性もゼロではありません。私もモヤモヤしながらも、「ROM」表記をブログで使用していますが、海外の一般的な表記に倣って「Internal Memory(内部メモリ)」「Internal Strage(内部ストレージ)」とするほうが意味が理解しやすく、親切だと感じています。












ツイッターで過去記事(スマホのRAMとROMの違いって何?よくわかる内蔵メモリ)をリツイートしていただので、短時間で今回の書き上げました(読みづらいところがあればすみません)。引用していただいた記事も、十分ではないと感じているので、いずれ新たにわかりやすく説明したいと計画しています。

最後に、過去記事について補足させていただきますと、あえてROM=Read Only Memory、RAM=Random Access Memoryの略であることに触れていない理由は、「スマホ RAM ROM 違い」などの検索ワードで辿り着く方々にとって、そのような説明が容易に理解できるものとは思えず、そのような専門的な説明を極力避けたうえで、噛み砕いて理解してほしいという思いがありました。いずれ自分自身も納得のいく、わかりやすい説明記事を書ければと思います。

スマホのRAMとROMの違いって何?よくわかる内蔵メモリ




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