2015年4月8日水曜日

ピンクフロイド名曲|売上2.5億枚のPINK FLOYD名盤おすすめ



PINK FLOYD(ピンク・フロイド)は、2億5,000万枚ものCD・レコードを売り上げた英国のロックバンドです。アルバム「狂気」は5,000万枚のセールスを記録。ビルボードTOP200に741週連続(1973年~1988年)チャートインを果たした代表作です。ピンク・フロイドは“哲学”とも云えるバンドで、その解釈は聴く者によって多岐にわたり、大きく異なります。この記事では、「PINK FLOYDを聴いたことがない人のために、聴きやすくてわかりやすい曲をおすすめする」という目的のもと、ピンク・フロイド入門的な観点でご紹介させていただきます。

サビや聴きどころから再生されるよう時間指定してあります。「どこがサビ?」「どこを聴けば良いのかわからない」という心配はありません。ぜひYouTubeの再生ボタンを押して、世界で最も成功したロックバンドの一つであるピンク・フロイドの魅力に触れてみてください。

■この記事で紹介した全ての音源を聴けるYouTubeプレイリストを作成しました。
YouTubePink Floyd(ピンク・フロイド)人気曲おすすめ





ピンク・フロイド Pink Floyd の魅力とは?


PINK FLOYD (1965~)

アルバム「狂気(The Dark Side of the Moon)」は5,000万枚。「ザ・ウォール(The Wall)」は3,000万枚。「炎~あなたがここにいてほしい(Wish You Were Here)」は2300万枚を売り上げました。総セールス2億5千万枚のピンク・フロイドを、サビや聴きどころから始まるYouTube動画でご紹介します。

ピンク・フロイドを語るためのキーワードは山ほどあります。哲学、宇宙、思想、壮大なスケールや独自の世界観、等々。「鬱」や「狂気」と題されたアルバムタイトルに象徴される通り、彼らの音楽には底無しのような精神世界が広がっています。荒んだ心を優しく癒してくれる抗鬱剤のようなものであり、すべてを忘れさせてくれるかのような睡眠剤かもしれません。忘れていた古傷を容赦なくかきむしるような劇薬、麻薬のようでもあります。その時々の環境や精神状態によって、ピンク・フロイドの楽曲はときに優しく、ときに残酷なものへと姿を変えるのです。

気持ちを高揚させたり、リラックスするために、私はピンク・フロイドを聴いています。しかし、ときに気持ちを病むくらいの深さまで曲が襲いかかってくることがあります。そんな時は、ピンク・フロイドを避けることさえあるのです。まさにアルバムタイトル「The Dark Side of the Moon(狂気)」のごとく、真っ暗な闇へと引きずり込むほどのパワーをもった、哲学と思想、精神世界のバンドであると感じています。

※売上枚数は集計機関によっても大きく異なります
※記載はすべて発売年で統一しています(個々の楽曲が録音された年はそれぞれ異なります)



Time(1973)




全世界で5千万枚を売り上げた「The Dark Side of the Moon(狂気)」に収録された、ピンク・フロイドの代表曲「Time(タイム)」。2分以上にもおよぶ強烈なイントロ。過ぎた時間を悔いるかのように叫ぶボーカル。泣きのギターという表現では生ぬるいほど悶え苦しむギターソロ。すべてが常軌を逸しており、Time(時間)というシンプルなテーマを伝えることに対して、異常なまでのエネルギーが注がれた楽曲です。狂気という名のアルバムを象徴する曲であり、ピンク・フロイドの世界観がむきだしになった一曲です。過ぎた時間を悔む気持ち、それがあなたの心に眠っているのだとすれば、Timeという曲は心の奥深くまでえぐって突き刺さる危険な薬になるはずです。

動画は歌い出しからスタートします。下記の歌詞を歌い上げた後に、ロックの歴史に名を残す圧巻のギターソロが約1分半にわたり展開されます。「You missed the starting gun(お前はスタートの合図を聞き逃していたのだ)」という絶望しか感じられない歌詞のあとに泣き叫ぶ、嘆きと苦悶のギターソロ。まさに圧巻です。

Ticking away the moments that make up a dull day
倦怠にまみれた一日を刻む時計の音
You fritter and waste the hours in an offhand way
お前はただ無駄に時間を浪費していく
Kicking around on a piece of ground in your home town
小さな部屋を怠惰に寝そべったままで
Waiting for someone or something to show you the way
「導いてくれる何か」をひたすら待っている
Tired of lying in the sunshine staying home to watch the rain
妄想と自慰に飽きて 尚も家の中から外の雨を眺め続ける日々
You are young and life is long and there is time to kill today
若いお前にとって人生は長い 一日を無駄にしても時間は有り余る
And then one day you find ten years have got behind you
ある日、10年が過ぎ去っている事に気付く
No one told you when to run
いつ走り出せばいいのかなんて 誰も教えてはくれなかった
You missed the starting gun
お前はスタートの合図を聞き逃していたのだ
歌詞はA Day In The Life ~ 懐かしき1曲さんから引用させていただきました。

ピンク・フロイド
The Dark Side of the Moon
5,000万枚を売り上げた名盤。「Time」や「Money」などの代表曲で構成される43分のアルバム。1973年発表。アメリカだけで1500万枚を売り全米1位・全英2位。ビルボードTOP200に741週連続チャートイン。トータル1500週以上チャートインの記録を持つ。



On The Turning Away (1987)




「鬱」と題されたアルバム、「A Momentary Lapse of Reason」に収録された楽曲「On The Turning Away(オン・ザ・ターニング・アウェイ)」。1曲目から4曲目までは常軌を逸したような不気味であやしい楽曲が続く中、5曲目の「On The Turning Away」には希望があります。

まるで雲間から光が射したかのように、希望を感じさせるギルモア(Guitar, Vocal)の歌唱とギターソロ。あなたの心が荒んだものであれば、やさしくそれを包んで解放させてくれる抗鬱剤のように感じられると思います。

ピンク・フロイド
A Momentary Lapse Of Reason
1曲目「生命の動向(Signs Of Life)」から5曲目「現実との差異(On The Turning Away)」 まで続く、壮大なスケールと世界観に惹き込まれるアルバム。邦題表記「鬱(うつ)」。1987年発表。全英・全米3位を記録。



Wish You Were Here (1975)




アルバム「Wish You Were Here(炎~あなたがここにいてほしい)」の表題曲、「Wish You Were Here(ウィッシュ・ユー・ワー・ヒア)」。この曲を聴く時、再会することはできないであろう友人たちのことを思い浮かべます。子供の頃には毎日のように遊んでいた親友も、今は疎遠となってその存在すら忘れてしまっている。あんなに恋焦がれていた女の子も、長い月日の経過と共に、幻(まぼろし)だったかのように感じられてしまう。張り裂けそうに切ないメロディを聴くと、彼ら・彼女の存在が浮かんでくるのです。同時に、あなたがここにいてほしいと願わずにいられません。2度と出会うことはないだろうけれど、この先もずっと同じことを思って生きるのだと予感します。最も好きなピンク・フロイドのバラードです。

Wish You Were Hereは、初期のメンバーであるシド・バレットを想って作られた曲です。彼はバンド在籍中に精神を病み、ドラッグ中毒に陥り、そのままバンドを去っていきます(1968年)。その7年後に発売されたアルバム「Wish You Were Here」は、2300万枚の大ヒットを記録。一方のシドは極度の鬱病に陥り、晩年にはメンバーとの面会すら許されず、2006年、60歳の若さで死去。ピンク・フロイドを共に過ごした時のことを思い歌った楽曲は、いつしか2度と再会することのできない友人に捧げられた曲となったのです。

How I wish, how I wish you were here.
ああ お前が お前がここにいてくれたらって思うよ
We're just two lost souls swimming in a fish bowl, year after year,
おれらは進むべき道を見失い 水槽の中を泳ぎまわってるだけの二つの魂
Running over the same old ground.
これまでと同じ ずっと同じ繰り返し
What have we found? The same old fears.
そして おれらが何を見つけたって? この消えることのない恐れだけ
Wish you were here.
ああ お前がここにいてくれていたら

歌詞は沙門の瞑想的生活さんから引用させていただきました。



Comfortably Numb (1979)




ピンク・フロイドの作品の中でも絶大な人気を誇る「Comfortably Numb(コンフォタブリー・ナム)」の魅力は、ラストを飾るギターソロ。泣きのギターが炸裂し、演奏時間は2分にも及びます。デヴィッド・ボウイと共演を果たしたこのライブでは、その長さが3分半に。観客を圧倒するパフォーマンスは、まるで全てのコーナーをドリフトで攻め続けるかのような凄まじさ。

この映像で素晴らしいと感じるポイントは、観客のほとんどがジッとしたまま真顔、ほぼ無表情であるということです。身動きすら出来ずに、ギルモア(Guitar)のプレイに圧倒される観客たち。リズムに合わせてカラダを動かすことも忘れ、満足げな表情を浮かべる必要もなく、ただただギルモアのプレイに圧倒されています。しかし、その眼差しは誰もが真剣そのもの。「目を見張る」という表現を体現するかのように、ステージへと集中しているのです。感情を抑えきれなくなったオジサンたちが、全身をくねらせてダンスする様子も見られます。

思い思いのスタイルで世界最高峰のギターソロを堪能し、曲の最後にはスタンディングオベーション。雄叫びのような歓声と盛大な拍手をもって、ギルモアとピンク・フロイドの面々に賛辞を贈っています。「偉大なギターソロTOP100」で1位にも輝いた名曲「Comfortably Numb」を最高のパフォーマンスで観ることのできた彼らは、間違いなく幸せ者と言えるでしょう。



Pigs On The Wing (1977)




「翼を持った豚」と題された「Pigs On The Wing(ピッグス・オン・ザ・ウィング)」は、1977年発売のアルバム「Animals(アニマルズ)」に収録されています。1曲目と5曲目に同名の「Pigs On The Wing」が、残る3曲には「Dogs(ドッグス)」、「Sheep(シープ)」、「Pigs (Three Different Ones)」といったように、すべてのタイトルが動物の名前で構成されています。「Pigs On The Wing」のpart.1(1曲目)は1分24秒、Part.2(5曲目)は1分27秒。どちらも同じメロディを持つ、演奏時間の短いシンプルな作品です。

Pigs On The Wingはアコースティックギターのみで歌われ、終始あたたかなメロディに包まれています。ロジャー・ウォーターズ(Vocal, Bass)のリラックスした歌声は、優しげな印象を与えてくれるでしょう。しかしどうしてなのか、どこまでも空虚で、寒々しさすら感じられるほどに冷たい曲でもあります。その理由は、ゆったりとしたメロディや優しい歌声とは対極にある歌詞に込められていると考えます。

もしも君が 僕の身を案ずることもなかったなら そして僕が 君を気にかけることもなかったなら
僕らは 右往左往して 退屈な苦痛な道に分け入っただろう
時折り この雨降りの空を 見上げながら どちらが非難されるべき野郎か あやしみながら
世界を覆しそうな 有翼の豚たちを待ちかまえながら
歌詞はmusic mewtzさんから引用させていただきました。

ピンク・フロイド
Animals
全5曲、収録時間41分。シンプルで聴きやすく、人気の高い1枚。アルバムジャケットは、発電所の上空を飛ぶブタ。すべての曲に動物の名前が付けられている。1977年発表。全英2位・全米3位。



If (1970)




穏やかなギターの音色で始まるIfは、アルバム「Atom Heart Mother(原子心母)」の2曲目に収録された楽曲「If(イフ)」。If I were a swan(もし僕が白鳥なら)、If I were a train(もし僕が列車なら)、If I were the moon(もし僕が月だったら)と優しくも不気味な歌声が続く不思議な曲は、And if I go insane, Will you still let me join in with the game?(もし僕の気がふれてしまったら、 君はまだ僕をゲームに加えてくれるかい?)という歌詞により曲のピークを迎えます。

もし、僕の気がふれてしまったら。そのようなことを考えたことがあるでしょうか。病気になって健康な身体を失ったり、健全だった精神状態を喪失してしまった時。自分が自分で感じられなくなるほどにおかしくなってしまった時、それでもあなたの家族や友人、大切な存在は、あなたをゲームに加えてくれるでしょうか。私は「if I go insane~」と歌い出すかのように、このことについて考えることがあります。この曲を聴きながらIf(もしも)を考え抜いた時、今いる友人はどんなにどん底に堕ちた自分でも受け入れてくれたのだと、感謝の気持ちが沸き上がってくるのです。考えたってどうしようもない、If(もし)。ゆったりしたメロディとは裏腹に、ピンク・フロイドの数ある作品の中で最も病んだ曲の一つだと思っています。

1曲目「Atom Heart Mother」は、23分を超える超大作。2曲目の「If」をはさんで続く3曲目の「Summer '68」はピンク・フロイドらしからぬポップな一面を見せつつも、サビでは狂気じみたボーカルへと豹変します。わずか5曲のアルバムながら、全ての曲が強烈なインパクトを残す名盤です。

歌詞はProgLyrics(プログレッシヴ・ロック名詞選)さんから引用させていただきました。

■この記事で紹介した全ての音源を聴けるYouTubeプレイリストを作成しました。
YouTube:PINK FLOYD BEST





Pink As Floyd / Red Hot Chili Peppers

Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)が2013年にリリースした「Pink As Floyd(ピンク・アズ・フロイド)」。タイトルが示す通り、ピンク・フロイドに影響を受けた作品です。10thアルバム「I'm With You」(2011年)のレコーディング時に作られ、2013年に未発表音源18曲連続リリース企画で発売されました。

Pink Floydの作品のように穏やかで鬱屈としたイントロ、美しさと狂気の混在、4分を超えた辺りから徐々に感情がむき出しとなり、最後には全ての思いが爆発するかのように繰り出されるアンソニー・キーディスの痛切な叫び。何度でも繰り返し聴きたくなる中毒性は、ピンク・フロイドに共通したものを感じます。



Red Hot Chili Peppers レッドホットチリペッパーズ代表曲おすすめ。皆がハマるレッチリの名曲



ピンク・フロイドの名盤|奇抜なアルバムジャケットも魅力



(左から)The Division Bell(対)、The Dark Side of the Moon(狂気)、Atom Heart Mother(原子心母)


Animals(アニマルズ)、Wish You Were Here(炎~あなたがここにいてほしい)、A Momentary Lapse Of Reason(鬱)


ピンクフロイド記念切手を、Royal Mailサイトで購入してみた



The Divison Bell / 対 (1994)




The Divison Bell(対)」は、1994年に発売された14thアルバム。向かい合う2つの巨像は、総重量1トンの金属製彫像。実際に制作されたものです。このアルバムに伴うツアーでは530万枚のチケットが売れ、収益合計は1億ドル(約100億円)。

ご紹介する曲はアルバム10曲目に収録された「Lost for Words(ロスト・フォー・ワーズ)」。



The Dark Side of the Moon / 狂気 (1973)




The Dark Side of the Moon(狂気)」は、1973年に発売された8thアルバム。最も有名なアルバムジャケットのひとつに挙げられることも多いデザインは、ジャケット・アートを手掛ける集団「Hipgnosis(ヒプノシス)」によるもの。伝説的名盤のジャケットにふさわしい、強烈なインパクトを放つデザインです。

ご紹介する曲は「Money(マネー)」。アルバムの6曲目に収録されています。



Atom Heart Mother / 原子心母 (1970)




Atom Heart Mother(原子心母)」は、1970年に発売された5thアルバム。こちらもデザイン集団・ヒプノシスによるもの。彼らが唯一手掛けた日本人歌手は、松任谷由実さん。アートワークを制作したストーム・ソーガソン氏は2013年4月、69歳で死去しました。邦題は「げんししんぽ」と読み、Atom Heart Motherがそのまま直訳されたものです。

ご紹介する曲は「Summer '68(サマー・シックスティ・エイト)」。アルバム3曲目に収録されました。



Animals / アニマルズ (1977)




Animals(アニマルズ)」は、1977年に発売された10thアルバム。発電所の上空を飛ぶブタが描かれたアルバムジャケット。撮影中に12メートルの巨大ブタが逃走(上空まで流されて行方不明)となり、RAF(イギリス空軍)が捜索したという逸話が残っています。この一件でヒプノシスの制作クルーが逮捕され、発見者の農家からは「ブタを探してるのはあんたらか?うちの敷地で牛を死ぬほど怖がらせている」と電話があったそうです。

ご紹介する曲はアルバム2曲目の「Dogs(ドッグス)」。17分にも及ぶ大作です。



Wish You Were Here / 炎~あなたがここにいてほしい (1975)




Wish You Were Here(炎~あなたがここにいてほしい)」は、1975年に発売された9thアルバム。5曲入りアルバムの最初と最後に収められた「Crazy Diamond」は、精神を病んでバンドを脱退したシド・バレットに捧げられた曲であり、本人を指して“クレイジー・ダイヤモンド”と呼ばれることもあります。体が燃えている男が握手をしている、「炎」のジャケット。4曲目では「あなたがここにいてほしい」と歌われています。

ご紹介する曲は「Shine On Your Crazy Diamond(シャイン・オン・ユア・クレイジー・ダイアモンド)」。全部で9つのパートに分かれた、25分もの大作です。



A Momentary Lapse Of Reason / 鬱 (1987)




A Momentary Lapse Of Reason(鬱)」は、1987年に発売された13thアルバム。700以上ものベッドを実際に並べて撮影されたアルバムジャケット。すべてを並べ終えた直後に雨が降り出し、苦労が水の泡に。もう一度並べ直すはめになったそうです。「鬱(うつ)」という邦題が与えられた作品ですが、その中身はダイナミックで非常に聴きやすく、ピンクフロイドの入門としても最適な1枚だと感じます。

ご紹介する曲は「One Slip(ワン・スリップ)」。アルバム4曲目に収録されています。

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YouTubePink Floyd(ピンク・フロイド)人気曲おすすめ





おすすめしたいPINK FLOYDの入門アルバムは、「鬱」と「アニマルズ」

以上、おすすめの6曲を紹介させていただきました。ピンク・フロイドは哲学であり、それを聴く側にも哲学があります。曲の解釈が違えば、好きなアルバムも人それぞれ大きく異なります。この記事はピンク・フロイドファンに向けたものではなく、これからピンク・フロイドを聴き始める方のために書いたものです。まずは聴きやすくてインパクトの強い楽曲からスタートし、徐々にその深みへとはまっていってほしいと願っています。

私がピンク・フロイドの入門的な作品としておすすめしたいのが、「鬱(A Momentary Lapse Of Reason)」と「アニマルズ(Animals)」。理由はシンプルなもので、聴きやすくてキャッチーだと感じるからです。哲学や思想などの理解を踏まえずとも、キャッチーなメロディだけで味わうことのできる親しみやすいアルバムだと思います。特に「A Momentary Lapse Of Reason」は1曲目から4曲目に至るまでの構成が素晴らしく、5曲目の「On The Turning Away」で感動のピークに達します。アルバム1枚を通して感じられる統一感、スケール感は随一だと思っています。

ピンク・フロイド
A Momentary Lapse Of Reason
1曲目「生命の動向(Signs Of Life)」から5曲目「現実との差異(On The Turning Away)」 まで続く、壮大なスケールと世界観に惹き込まれるアルバム。邦題表記「鬱(うつ)」。1987年発表。全英・全米3位を記録。

ピンク・フロイド
Animals
全5曲、収録時間41分。シンプルで聴きやすく、人気の高い1枚。アルバムジャケットは、発電所の上空を飛ぶブタ。すべての曲に動物の名前が付けられている。1977年発表。全英2位・全米3位。

ピンク・フロイド
The Dark Side of the Moon
5,000万枚を売り上げた名盤。「Time」や「Money」などの代表曲で構成される43分のアルバム。1973年発表。アメリカだけで1500万枚を売り全米1位・全英2位。ビルボードTOP200に741週連続チャートイン。トータル1500週以上チャートインの記録を持つ。



難しくない、ピンク・フロイド。聴きやすい曲からスタートしてほしい

ピンク・フロイドで哲学や思想を語ることも楽しみ方の一つではありますが、数ある音楽の一つであることに変わりはなく、他のミュージシャンや楽曲と比べて上ということもなければ、下ということもありません。ピンク・フロイドを聴くという行為を、純粋に楽しんでほしいと思っています。ことピンク・フロイドに関しては、リスナーが楽曲に対して抱く想いの強さ深さが尋常ではありません。おすすめを聴いたときに、必ずしも聴きやすい楽曲がアドバイスされるとも限らないので、2001年発売の2枚組ベスト「エコーズ~啓示(Echoes - The Best of Pink Floyd)」をレンタルしてつまみ聴きしてみるのもアリです。



強烈な個性を持つ、Pink Floydのメンバー

私はデヴィッド・ギルモア(Guitar, Vocal)の鬼気迫る歌声と、いかついオッサン(69歳)が口元をニヤリとさせながら奏でるシブいギターサウンドに強く惹かれます。ロジャー・ウォーターズ(Bass, Vocal)なんて、名前からしてロックの申し子みたいな存在だと感じます。見た目は地味な英国紳士のニック・メイソン(Drums)ですが、エンツォやF40などの限定車から250GTO、512Sなどの稀少車、果ては最新のカリフォルニアまで、稼いだカネを惜しげもなく費やして世界有数のフェラーリ・コレクターに。ブガッティやマクラーレンを乗り回し、F1の会場には愛車のフェラーリで乗り付ける。ロックスターのあるべき姿、私がロックミュージシャンに期待するド派手な一面を見せつけてくれる存在でもあるのです。

しかし考えてみると、彼らが「原子心母」や「狂気」といった名盤を連発したのは20代から30代のこと。名曲の数々を40年も前に生み出していた事実に気付くとき、Timeで歌われている歌詞の残酷さが、わが身に突き刺さるようでもあります。

Nick Mason(ニック・メイソン)、David Gilmour(デヴィッド・ギルモア)、Roger Waters(ロジャー・ウォーターズ)



ピンク・フロイドの作品から、あなただけの哲学を見つけてほしい

ピンク・フロイドというあまりに偉大で名の知れたモンスターバンドを紹介することは、私にとって容易なことではありません。フロイドファンそれぞれに哲学があり、好きな作品があります。「なぜその6曲なんだ」と首をかしげる方がいるかもしれません。そのようなことを考えればキリがないのですが、セオリーに従うことはせず、あくまで私のおすすめする作品のみを紹介させていただきました。もしも気に入っていただくことが出来たなら、あなただけの哲学をピンク・フロイドのアルバムから感じ取り、見つけ出してほしいと思います。

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