ロックの王道的存在、Motley Crue(モトリー・クルー)の代表曲おすすめをご紹介します。モトリー・クルーと言えばこの曲!という人気曲が1発で分かります。
モトリー・クルーの魅力は、最高にヘヴィでありながらどこまでもポップ。1度聴けば耳に残るほどキャッチーで聴きやすい楽曲、ロックスター然としたヴィンス・ニールの華々しい歌声、強烈なメンバー4人の個性的なスタイル(生き様)にあります。
激しくて危険、ワイルドかつ疾走感に満ち溢れていて…といった、“我々がロックンロールに期待することの全て”を詰め込んだバンド、Motley Crue(モトリー・クルー)。“セックス・ドラッグ・ロックンロール”が最も似合う存在であり、HR/HM(ハードロック・へヴィメタル)の入門としてもおすすめできるバンドです。
ヘロインの過剰摂取で心臓停止したベーシスト、牢獄にぶち込まれたドラマー、交通死亡事故の加害者となったボーカルなど、個性的すぎる4人のメンバーについても紹介しています。
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YouTube:Motley Crue(モトリー・クルー)人気曲おすすめ
Kickstart My Heart
Motley Crue(モトリー・クルー)の代表曲であり、80年代ロックシーンを代表する楽曲、「Kickstart My Heart(キックスタート・マイ・ハート)」。疾走感あふれるこの曲は、1989年リリースの5thアルバム「Dr.Feelgood」に収録されました。同アルバムは全米1位を獲得し、アメリカ国内だけで700万枚をセールス。全米27位を獲得したシングル「Kickstart My Heart」を始め、「Dr.Feelgood(全米6位)」「Without You(全米8位)」「Don't Go Away Mad(全米19位)など、出す曲全てがヒットを記録しました。
Motley Crueの名曲「Kickstart My Heart」は、“アドレナリン全開でブッ飛ばしたい!”という時にピッタリ。モータースポーツなどの映像でも、BGMとして頻繁に使われる楽曲です。5年連続盗塁王を獲得し、“レッドスター”の愛称で親しまれた赤星選手(阪神タイガース)の登場曲にも使われました。
Shout At The Devil '97
この曲「Shout At The Devil '97(シャウト・アット・ザ・デヴィル '97)」のオリジナルは、2ndアルバムに収録された「Shout At The Devil」。14年後の1997年に発表された本作では、よりへヴィかつ現代的に、迫力と勢いを増したアレンジに仕上がっています。
多くのセルフ・リメイク作品がオリジナルを超える事なく消えていく中で、「Shout At The Devil '97」は原曲に並ぶ、もしくは超えるほどの輝きを放ったセルフ・リメイクであるといえます。90年代ならではの「ダサいのにカッコいい」「カッコいいのにダサい」と思わせるミュージックビデオの作りも味があって楽しめます。
Primal Scream
1991年発売の初ベストアルバム「Decade of Decadence '81-'91」に収録された楽曲、「Primal Scream(プライマル・スクリーム)」。
「プライマル・スクリーム!アンド・シャウト!」という印象的なフレーズ、キャッチーなギターリフなど、インパクトの強い楽曲です。モトリー・クルー初期の代表曲。
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Same Ol' Situation
モトリー・クルーのパーティ・ロックな部分が存分に感じられる、「Same Ol' Situation(セイム・オール・シチュエーション)」。良曲を予感させるイントロから最後の1秒に至るまで、お祭り騒ぎのようなノリの良さ。
圧倒的なテンションの高さで4分12秒を駆け抜ける同曲は、5thアルバム「ドクター・フィールグッド」の栄光(全米1位)と、80年代ロックの華々しさをありのままに伝えてくれる名曲です。アリーナやスタジアムでのライブが似合うMotley Crue。そんな彼らの側面を表した楽曲が、「Same Ol' Situation」だと感じます。
Don't Go Away Mad (Just Go Away)
イントロのギターから心を鷲づかみにされるパワーバラード、「Don't Go Away Mad(Just Go Away) / ドント・ゴー・アウェイ・マッド(ジャスト・ゴー・アウェイ)」。彼らのバラード代表曲「Home Sweet Home」と双璧を成す名曲です。
歌詞の内容は男女の恋愛を歌ったものですが、ミュージックビデオの作りはメンバーの熱い友情を感じさせるもので、映像と音楽がマッチした素晴らしい作品に仕上がっています。ヴィンス・ニールにしか表現することのできない切なさとあたたかさ、華々しさがあふれたボーカルは胸を熱くさせ、心にしみ渡るようです。
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Home Sweet Home
モトリー・クルーの代表曲であり、ロック・バラードの定番曲としても有名な「Home Sweet Home(ホーム・スウィート・ホーム)」。ライブではトミー・リー(dr)のピアノによるイントロが響き渡ると、客席から「待ってました」と言わんばかりの歓声が沸き起こります。ヴィンス・ニールの情熱的な歌唱、涙を誘うミック・マーズのギターソロなど、すべてがパーフェクトなバラード作品。
2005年の超大型ハリケーン・カトリーナ罹災後にはLinkin Park(リンキン・パーク)のChester Bennington(チェスター・ベニントン)をボーカルに迎えた「Home Sweet Home」を発表。2014年にJustin Moore(ジャスティン・ムーア)がカバーした「Home Sweet Home」のミュージックビデオにはモトリー・クルーのメンバーも登場。オリジナルのMV映像が使われるなど、往年のファンをニヤッとさせる演出が盛り込まれています。
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Hooligan's Holiday
Motley Crueは一時的にボーカルが交替した過去があります。Vince Neil(ヴィンス・ニール)の後任として迎えられたのが、John Corabi(ジョン・コラビ)。彼は6thアルバム「Motley Crue」でボーカルを務め、ハスキーな歌声によってモトリー・クルーの新たな一面を引き出すことに成功しました。
暴力的でありながらもポップだったモトリー・サウンドは、ジョン・コラビによってヘヴィ一辺倒へ転化。「Hooligan's Holiday(フーリガンズ・ホリデイ)」では、アルバム全体に漂うインダストリアル(機械音・金属音・電子音を含んだ攻撃的なロック)な音楽性を感じることができます。
Hammered
こちらもジョン・コラビによるボーカル。ヘヴィな歌声が印象的な「Hammered(ハンマード)」は、6thアルバム「Motley Crue」の性格を表したかのような楽曲です。
全米7位を記録するも、セールスは振るわず。モトリー・クルーの魅力であるポップで華々しい音楽性が影を潜めた同アルバムの評判はイマイチなものでした。“モダン・ヘヴィ”を感じさせるジョン・コラビの歌声はファンの支持を得ることができず、アルバム1枚のみに参加した彼はバンドを去ることになります(次作でもコーラスやレコーディングには参加)。
Saints of Los Angeles
9thアルバムに収録された、アルバムタイトル曲、「Saints of Los Angeles(セインツ・オブ・ロスアンゼルス)」。ロサンゼルスで結成され、“LAメタル”の代表格でもあるモトリー・クルー。「セインツ・オブ・ロスアンゼルス」としての自負やプライドが感じられる作品です。
2008年に発売されたこのアルバムは、全米4位を記録。前作(41位)を大きく超えるセールスを記録できたのは、先行シングルの「Saints of Los Angeles」がキャッチかつモトリーらしさを多分に感じさせる出来であったことが要因ではないかと考えます。私もこの曲を聴いて、迷わずアルバム購入を決意しました。
Dr.Feelgood
アメリカ国内だけで700万枚を売り上げ、全米1位に輝いたアルバム「ドクター・フィールグッド」の表題曲「Dr.Feelgood(ドクター・フィールグッド)」。80年代のロック・シーンを突き進み、頂点を極めたモトリー・クルーの華々しさと勢いが感じられます。トミー・リー(dr)のプレイだけを映したライブ映像も見応えがありオススメです。
「Dr.Feelgood」や「Home Sweet Home」などの名曲ミュージックビデオを手掛けたのは、映像監督・Wayne Isham(ウェイン・アイシャム)。Motley Crueの8作品に携わっています。Bon Jovi(ボン・ジョヴィ)のミュージックビデオ監督としても有名で、13曲もの有名ミュージックビデオを制作してきた人物です。
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Wild Side
“荒っぽい一面”という意味を持つ「Wild Side(ワイルド・サイド)」。ワイルドな生き様のトミー・リー(dr)を指して使われる言葉でもあります。パワフルに響き渡るトミーのドラムが印象的な「ワイルド・サイド」。ミュージック・ビデオでは、トミーの代名詞ともいえる「360度回転するドラム」を堪能することができます(2分8秒~)。
とにかく派手で目立ちたがり屋なトミー・リーは、ド派手なパフォーマンスによって観客を魅了。ワイヤーで吊るされながらステージ上空を飛びまわったり、近年のライブでは会場の天井にローラーコースターの巨大セットを組み、オーディエンスの真上を移動しながらドラムを叩くという驚きの演出で話題を集めました。
Find Myself
ヴィンス・ニール(vo)が復帰して作られた7thアルバム、「ジェネレーション・スワイン」の1曲目に収録された「Find Myself(ファインド・マイセルフ)」。サビ以外をニッキー・シックス(b)が歌っています(気だるそうな低い声のほう)。
このビデオもニッキーをフィーチャーした作りになっており、ロックスター然とした彼のカリスマを感じることができる映像に仕上がっています。
Anybody Out There
こちらも7thアルバム「ジェネレーション・スワイン」に収録された楽曲「Anybody Out There(エニバディ・アウト・ゼア)」。2分にも満たない短い曲ですが、疾走感あふれるパンクなテイストが気持ちいいナンバーです。映像の男性は、ドラムのトミー・リー。
長身でイケメン、かつワイルドというトミー・リーの存在は、サッカー選手のズラタン・イブラヒモビッチ(PSG)を思わせるものがあります。イブラヒモビッチの出身はスウェーデン、トミー・リーはギリシャ生まれ。彫刻のように彫りの深い顔立ちの両者、ともにヨーロッパ生まれの問題児、生まれながらのスーパースターである点まで共通しています。
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Porno Star
トミー・リー(dr)脱退後に作られた8thアルバム、「New Tattoo」に収録された「Porno Star(ポルノ・スター)」。
アルバム全体にはアメリカン・ロックの陽気な雰囲気が満ちていますが、トミー不在の影響は大きく、またモトリーのワルくてダーティな部分があまり感じられないこの作品は、最も存在感に乏しい1枚と言えるかもしれません。
Bitter Pill
クルマのCMソングに採用されたとしても違和感が無いほどポップでさわやか、希望を感じさせてくれる楽曲「Bitter Pill(ビター・ピル)」。1998年にリリースされた2枚目のベストアルバム「Greatest Hits」1曲目に収録されました。
それまでのモトリー・クルーでは想像できないほどに明るく突き抜けたサウンドは、決して枠に収まることのない彼らの音楽性・世界観を表明しているかのよう。今までになくキャッチーなこの曲を聴いた時、数年、数十年と続くであろうモトリー・クルーの無限の可能性を感じることができました。
Glitter (Remix)
こちらもベスト盤「グレイテスト・ヒッツ」に収録された楽曲「Glitter(Remix)」。「Bitter Pill」同様、モトリー・クルーの新たな方向性を思わせるバラードです。
オリジナルは7thアルバム収録の「Glitter(グリッター)」。リミックス・バージョンでは音数が減り、シンプルに刺さるバラードへと姿を変えました。彼らの作品の中では異質ともいえるサウンドが特徴です。
You're All I Need
恋人を愛しすぎたがために殺してしまったという、アメリカで実際に起きた事件をもとに書かれた曲「You're All I Need(ユーアー・オール・アイ・ニード)」。
美しい歌声やメロディとは裏腹に、生々しい歌詞が並ぶYou're All I Needのミュージックビデオは放送禁止となりました。
On With The Show
1stアルバムに収録された、モトリー・クルー初期の名曲「On With The Show(オン・ウィズ・ザ・ショウ)」。バラードの切なさをあわせ持ちながら、ポップで爽やかなモトリーらしい作品です。
2005年に行われた再始動ツアーでもプレイされました。脱退していたトミー・リー(dr)が復帰して行われたリユニオン・ツアーだっただけに、オリジナルの4人によって初期の名曲がプレイされる感動はひとしおでした。
Tommy Lee (トミー・リー)
タトゥーまみれの全身、189cmの長身、モデルのような顔立ちで人気のドラマー、Tommy Lee(トミー・リー)。元ミス・ギリシャの母親を持つトミー・リーは女性人気も高く、ベースのNikki Sixx(ニッキー・シックス)と人気を二分する存在です。“Low IQ, High Energy(バカだけど元気)”を自称するトミーは、とにかく目立つことが大好き。ライブにおける360度回転するドラムセットや、ステージに巨大ローラーコースターのドラムセットを組むなど、常に話題の中心にいるような人物です。
ヒップホップに目覚めた彼は、ソロプロジェクトのMethods Of Mayhem(メソッズ・オブ・メイヘム)でリンプ・ビズキットやビースティー・ボーイズのメンバー、スヌープ・ドッグらとアルバムを作りヒットさせました。近年ではDJに目覚め、Deadmau5やSkrillexら人気DJとの親交を深めるなど、常に時代の最先端を行こうとするドラマーでもあります。
1989年、妻のパメラ・アンダーソンに対する暴行容疑で逮捕・収監。MTVアワードではキッド・ロック(パメラの再婚相手)と殴り合いのケンカをしたり、モスクワのショウではジョン・ボン・ジョヴィを殴ったとされるなど、見た目通りにワルな一面も持ち合わせています。スタバに行くのが面倒で、自宅にスタバの業務用マシン(300万円)を置いた、というエピソードが好きです。
Fight Song / Methods of Mayhem
トミー・リーのソロプロジェクトであるMethods Of Mayhem(メソッズ・オブ・メイヘム)の楽曲「Fight Song(ファイト・ソング)」。
トミー・リー自身がボーカルをとっています。Franky Costanza(フランキー・コスタンザ)によるドラム・カバーは圧巻。
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Nikki Sixx (ニッキー・シックス)
モトリー・クルーの中心的人物であり、作詞作曲のほとんどを手掛けるバンドの頭脳ともいえる存在、Nikki Sixx(ニッキー・シックス)。これほどの存在感とカリスマ、知性と暴力性を兼ね備えたベーシストが他にいるのかと思ってしまうほど、ロックシーンで輝きを放つニッキー・シックス。ファッションや言動のすべてがファンを魅了し、多くのミュージシャンにも影響を与えてきました。
1987年の来日時には、新幹線の車内にて乗客にジャックダニエルのボトルを投げつけたことで逮捕され、同年12月にはヘロインの過剰摂取により2分間の心臓停止に陥るなど、トミー・リー(dr)と同じくキケン人物でもあります。
ニッキー・シックスはその存在と立ち振る舞い、さらに言えばNikki Sixxという名前からしてロックスターとしてのカリスマに溢れていますが、私は特に白い歯をむき出しにして笑うニッキーの貫録あるスマイルに惹かれます。すべてのロックスターの中でもニッキー・シックスは特別な存在で、彼ほど大好きだと言える存在は他にいません。
モトリー・クルーのファンとして知られ、HR/HM(ハードロック・へヴィメタル)専門誌・BURRN!に連載を持っていた漫画家・喜国雅彦さんの描くニッキー・シックスの絵がめちゃくちゃ似ていて、大好きです。
Life Is Beautiful / Sixx:A.M.
ニッキー・シックスのソロプロジェクト楽曲「Life Is Beautiful(ライフ・イズ・ビューティフル)」。
VAMPS主宰のフェス・VAMPARK FESTにも、Sixx:A.M.として出演。hyde(ラルク・アン・シエル)や清春(sads)と共演しました。この他にも「Brides of Destruction」などのソロプロジェクトを立ち上げるなど、モトリー・クルー以外での活動も目立つのが、バンドの中心的存在でもあるベースのニッキー・シックスです。
Vince Neil(ヴィンス・ニール)
唯一無二の歌声でファンを魅了してきたモトリー・クルーのボーカル、Vince Neil(ヴィンス・ニール)。このバンドの魅力として、ニッキーのソングライティング(作詞作曲)やトミー・リーのパワフルなドラム、ミック・マーズのメロディアスなギターなどが挙げられますが、ヴィンス・ニールの歌声なくしてモトリー・クルーは成立しません。
1984年に自動車事故を起こして同乗者(Hanoi Rocksのドラマー)を死亡させた罪で服役。1992年には「カー・レースに没頭するあまりバンド活動をおろそかにしている」との理由で解雇されました。クルマ大好きなヴィンス・ニールですが、初めて購入したのはダットサン・240Z。近年はフェラーリ360モデナF1やランボルギーニ・ガヤルド・スパイダーを足車としている他、ブルネイ国王から購入したロールスロイス・シルバースパーIIIやベントレー・コンチネンタルGTスピード、ハマーH2などを所有。しまいにはプライベートジェットまで購入し、「自分でチャーター会社を設立したほうが経済的」との理由で「Vince Neil Aviation」という航空会社まで設立してしまいました。
今でこそ丸々と太ってしまったヴィンス・ニールですが、若き日の彼は女性のように美しく、エアロスミスのスティーヴン・タイラーはそんな彼の姿にインスピレーションを受けて「Dude(Looks Like A Lady)」という曲を書いたといわれています。ヴィンスのモテっぷりは凄まじく、モトリー・クルーの自伝「The Dirt」では“セックス、ドラッグ、ロックンロール”のセックス担当としてヴィンスの輝かしい栄光が語られています。モトリー・クルーで成功を収めたとき、母校に真っ白なリムジンで乗り付けてやったというワイルドなエピソードが大好きです。
You're Invited (But Your Friend Can't Come) / Vince Neil
モトリー・クルー脱退後の1993年にリリースされた、初のソロ・アルバム「Exposed」収録曲、「You're Invited(But Your Friend Can't Come)」。ヴィンス・ニールの華やかなボーカルが冴えわたるロックンロールナンバーです。
ニッキー・シックス(b)とトミー・リー(dr)があまりに目立つ存在であるため3番手的な印象を受けてしまいがちですが、モトリー・クルーはヴィンスの唯一無二とも言える歌声によって支えられていることを実感できる作品だと思います。アルバムは全米13位、日本では初登場1位を達成するヒットを記録しました。ヴィンスはL'Arc~en~Cielのトリビュートアルバムで「Blurry Eyes」を歌っています。ヴィンスの後任として一時的に加入したジョン・コラビは、SIAM SHADEのトリビュートアルバムで「Life」を歌いました。
Mick Mars (ミック・マーズ)
1951年生まれのギタリスト・Mick Mars(ミック・マーズ)は、他のメンバー(52~56歳)より一回りも年上の64歳。寡黙で不気味さを漂わせる風貌が特徴的なギタリストです。モトリー・クルーの印象的なギターリフを数多く生み出し、キャッチーでメロディアスな演奏によってファンを魅了してきました。
そのスタイルゆえに最も目立たないメンバーではありますが、ボーカリストとドラマーの脱退・再加入を経験してきたモトリー・クルーにあって、結成時から現在に至るまで常にバンドを支え続けてきた功労者でもあります。
若くして血清反応陰性関節炎を患ったために背中を動かすことが困難で、ライブ中もほとんど微動だにせずギターを弾き続けるのですが、メロディアスなモトリー・サウンドを淡々と奏でる姿こそがミック・マーズの特徴であり、彼の魅力であるともいえます。
Piece of Your Action
モトリー・クルーの“ヤバさ”が漂う初期の代表曲、「Piece of Your Action(ピース・オブ・ユア・アクション)」。1分25秒にも及ぶミック・マーズのギターソロ(2:00~)、ヴィンス・ニールの荒々しいボーカルなど、80年代ロック・シーンに殴り込みをかけたモトリー・クルー登場の衝撃が伝わってきます。
彼らの作品の中でもとりわけハードな楽曲であり、HR/HMのHM(へヴィメタル)テイストが存分に感じられる一曲です。1stアルバム「Too Fast For Love」収録。
Live Wire
デビュー・アルバムの1曲目に収録された「Live Wire(ライヴ・ワイヤー)」。名刺代わりの1発目としてブチかますにはコレ以外ないだろうというくらいの名曲だと思います。
荒々しさとスピード感に満ちたイントロは衝撃的ですらあり、モトリー・クルーの成功を予感させるものです。
Girls, Girls, Girls
バイクのエンジン音で幕を開ける「Girls, Girls, Girls(ガールズ・ガールズ・ガールズ)」。ハーレーに跨ってLAを疾走するメンバーの姿を見て、バイクに憧れたファンの方も数多くいたはず。
LAメタルと呼ばれるジャンルの筆頭でもあるモトリー・クルー。華々しいロックンロールとLAの街並み、Harley-DavidsonとGirls, Girls, Girls(女たち)が最も似合うバンドです。
Ten Seconds To Love
2ndアルバム「Shout At The Devil」は、彼らの全作品の中でもかなり硬派でヘヴィなアルバムです。「Ten Seconds To Love(テン・セカンズ・トゥ・ラヴ)」という曲は、そんなアルバム全体の雰囲気を伝えてくれる代表的な存在。
ヴィンス・ニールのボーカルとメンバーのコーラス、シンプルながら迫力のあるサウンド…、初期のモトリー・クルーをそのまま表したかのような楽曲だと感じます。
Afraid
ヴィンス・ニール(vo)復帰後にリリースされた7thアルバム「ジェネレーション・スワイン」の収録曲、「Afraid(アフレイド)」。このアルバムでは、今までのモトリー・クルーには無かった現代的なサウンドがたっぷり盛り込まれており、「Afraid」も新生モトリー・クルーを感じさせる一曲です。
「Home Sweet Home」も素晴らしいバラードですが、この曲も痛切なメッセージが込められたモトリー流のパワーバラードといった感じで、心に刺さるものがあります。
Mutherfucker Of The Year
2008年発売の9th「Saints Of Los Angeles」収録曲、「Mutherfucker Of The Year(マザーファッカー・オブ・ザ・イヤー)」。モトリー・クルーのダーティな部分が感じられる、迫力たっぷりのナンバー。
ミュージックビデオには当時のライブ映像がふんだんに使用されており、リアルなモトリー・クルーの姿を知ることができます。
Anarchy In The UK
Sex Pistols(セックス・ピストルズ)の名曲カバー「Anarchy In The UK(アナーキー・イン・ザ・UK)」。ミュージックビデオでは、全盛期のモトリー・クルーを感じることができます。
観客が「VINCE YOU WILL KICK AXL'S ASS」の文字を掲げていますが、これは当時仲の悪かったアクセル・ローズ(ガンズのボーカル)を指したもので、ヴィンス・ニール(vo)が「テレビ中継の前でケンカして決着つけようぜ」と挑発したことに由来していると思われます(バンド間の不仲は、ヴィンスがガンズ・アンド・ローゼズのギタリストを殴ったことが原因)。
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YouTube:Motley Crue(モトリー・クルー)人気曲おすすめ
モトリー・クルーを聴き始めるなら、ベスト盤がおすすめ
モトリー・クルーは3枚のベストアルバムを発売しています。最も多くの楽曲が収録されているのは、2枚組のベスト盤「Red White & Crue」(2008年)。、計38曲が収録されており、各年代の代表曲や定番がバランス良く網羅されています。これを聴けば、モトリー・クルーの大枠を知ることができるでしょう。その反面、38曲もあるということはどれを聴けば良いか迷う可能性もあり、年代によってガラリと変わる曲の印象に戸惑う可能性も考えられます。2枚組ベスト「Red White & Crue」は、モトリー・クルーを好きになり始めた人に買ってほしいアルバムであると個人的には考えています。最初に聴いていただきたいベスト盤は、1997年発売の「Greatest Hits」。これを100円レンタルで借りてみてください。収録数は17曲とコンパクトにまとまっていますが、いずれも4番打者のような存在感を放つヒット曲ばかりで構成されているため、非常に濃密な17曲であるといえます。2009年に収録曲を変更した「Greatest Hits」が再発売されましたが、やや蛇足と思える選曲も含まれているため、個人的なおすすめは1997年リリースの「Greatest Hits」です。これら17曲を聴き込むことで、モトリー・クルーがどんなサウンドを奏でるバンドなのかを理解できるはずです。その後、気に入った曲が含まれるオリジナルアルバムを聴けば、よりディープな世界に触れることができます。
ちなみに私は、1枚目のベスト盤「Decade of Decadence '81-'91」でモトリー・クルーと出会い、のめり込みました。タイトル通り、10年間の軌跡が余すことなく詰め込まれた素晴らしいベストアルバムです。全米2位を獲得したのも頷ける、全盛期のモトリーを知るには最高の作品だと思っています。上記2枚のすばらしいベスト盤があるため、3番手として紹介しましたが、彼らがHR/HMの頂点を極めた時代を肌で感じることができる「Decade of Decadence '81-'91」でモトリー・クルーを聴き始めるのも良い選択だと思います。
モトリー・クルー
Red White & Crue
2005年発売の2枚組ベストアルバム。各年代のヒット曲・代表曲がバランスよく収録されています。入門としてもおすすめの1枚。
ライブ盤なら、ベスト的構成の「Live:Entertainment Or Death」がおすすめ
「Live:Entertainment Or Death」は、非常におすすめしたいライブアルバムです。ファンの方であれば必聴、モトリー・クルーを好きになり始めた方であれば、きっと彼らの世界にどっぷりハマることができる作品。ベストテイクを選りすぐって20曲におさめた本作は、まるで1本のライブを体験しているかのような編集がされており、「ベストテイク・オンリーの最高のライブ」に仕上がっているのが特徴です。アルバム1枚目の最後を飾る「Helter Skelter」(The Beatlesカバー)の迫力は、間違いなくカバー本編を上回るもので、ヴィンス・ニールの突き抜けるようなシャウトにThe Beatlesへの真摯なリスペクトを感じました。
「Live Wire」や「Piece of Your Action」などのヘヴィな楽曲は、よりヘヴィに。「Don't Go Away Mad」の感動は、終盤のサビを飾る女性コーラスの超絶ハイトーンボイスによってより心を震わせる仕上がりに。すべての収録曲が最大限まで魅力を増幅した仕上がりになっていることを保証します。
モトリー・クルー
Live: Entertainment Or Death
Motley Crueのライブベスト盤。1982年から1999年までのベストテイク20曲を収録した2枚組。ファンも大満足できる完成度の高さです。
モトリー・クルーの壮絶なバンド史を知るなら、自伝「The Dirt」がおすすめ
「The Dirt(ザ・ダート)」は、459ページにも及ぶモトリー・クルーの自伝です。バンドの歴史や世界観を、メンバー自身の言葉で知ることができます。「セックス、ドラッグ、ロックンロール」はMotley Crueのためにある言葉なのではないかと思えるほど、痛快な内容です。いじめられっ子だったニッキー・シックス(b)が、金属製の弁当箱に石を詰め込んでイジメっ子をブチのめしたところから、モトリー・クルーの成功はスタートしました。全米1位に輝いたアルバム「Dr.Feelgood」の華々しい栄光から、ボーカルの交通死亡事故やドラマーの逮捕・収監といった転落に至るまで、モトリー・クルーの全てが書かれています。
定価3,780円と値が張りますが、ペーパーバック(洋書)は約2,400円、Kindle版(洋書)なら約1,200円で購入できます。私は和書と洋書の両方を購入しましたが、洋書ではより生々しい表現を見ることができるので、無理をしてでも読んでみることをおすすめします。スラングの勉強にもなります。
モトリー・クルー
The Dirt
Motley Crueの自伝。友人や家族の死、メンバー間の確執、脱退・復帰。モトリー・クルーに巻き起こった全ての出来事が、メンバー自身によって語られています。ファンならずとも楽しめる、「セックス、ドラッグ、ロックンロール」の世界を地で行くバンドの告白本。459ページ。シンコー・ミュージック
翻訳版(和書) ペーパーバック(洋書) Kindle版(洋書)
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