2015年6月12日金曜日

定額制音楽配信を100点満点で評価。LINE MUSIC、AWA、ソニー



各社のサブスクリプション型(定額制)音楽配信サービスを利用してみたので、100点満点で評価してみたいと思います。サービスを開始したばかりのLINE MUSICやAWAも含まれますが、6月12日時点でアプリをダウンロード&利用した感想で評価をおこなっています。やや厳しめの評価を行っていますが、サービスの開発に関わるすべての人たちに経緯と期待を寄せての評点となっております。

LINE MUSICやAWA、サブスクリプションなどの用語説明を本文最後に用意しました。わからない方は先に目を通していただくと、理解が早いかもしれません。



Music Unlimited(ソニー)の評価…0点。 サービスが終了したため

我らがソニーの定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」。擁護したい気持ちや、擁護できる要素はいくつかあるのですが、わずか2年半でサービスを終了してしまった結果だけを評価して0点です。サービスが消滅すればユーザーの作ったプレイリストは意味を成さなくなってしまいます。プレイリストというのは、定額制音楽配信サービスにおける重大要素の一つ。その存在を、サービス提供側がバッサリと切り捨ててしまう結果となったことを考慮しての評価でもあります。

世界最大のサブスクリプションサービス・Spotify(スポティファイ)には、ユーザーが作成した15億を超えるプレイリストが存在します。Spotifyがプレイリストの存在によって支えられてきたことの証明であり、プレイリストを作成してくれる意欲的なユーザーに恵まれたからこその発展とも言えるでしょう。

一方のMusic Unlimitedですが、私はこのサービスが長く続かないことを予感しながら利用していました。サービスの終了=プレイリストの消滅を意味します。案の定、2015年3月末にサービスの終了が宣告され、せっせと作ったプレイリストは水の泡。無駄になることが分かっていれば、プレイリストを作りたがるユーザーなど現れないに決まっています。

Spotifyがプレイリストの価値と利便性によって発展を遂げる一方で、2年半で終わりを迎えたMusic Unlimitedは「ユーザーにプレイリストを作らせなかった」という点を最大限に評価して、0点とさせていただきました。楽曲ラインナップを見ても、月額980円の価値を感じることはできませんでした。

PlayStation Musicの国内展開があるのか無いのかは未定ですが、Music Unlimitedと同じ楽曲ラインナップ(貧弱な邦楽ラインナップ)で再始動するのなら、同じような結末だけが待っていると思います。

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PlayStation Music(ソニー)の評価…1点。 国内展開に踏み切れていないため

日本国内では展開されていないため、0点。Music Unlimitedというサービスの存在を失って路頭に迷うユーザー心理を考慮した評価となっています。しかし、Music Unlimitedでの失敗を活かして“Unlimited(無制限)”の看板をはずしたことは評価されるべきで、1点としました。

Spotifyと連携して世界41カ国でサービスを開始しているPlayStation Music(プレイステーション・ミュージック)ですが、もしも日本国内で展開されることがあれば、その時は「邦楽ラインナップを整えての再始動」だと予想しています。日本でもサービスが提供されることがあれば、そのポジティブな姿勢を評価してさらに1点をプラスさせていただく予定です。

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LINE MUSICの評価…0点。 検索機能が死んでいるため


アプリの評価コメント欄でも言われているように、検索を行ってもアーティスト名が表示されません。ZEDD(ゼッド)というアーティストを例に挙げてお話します。ニュースリリース(お知らせ)に用意されたリンクを辿れば、アルバム「True Colors」の楽曲を聴くことが出来ます。しかし、検索窓に「ZEDD」と入れても、「検索結果がありません」と表示されて、何ひとつ聴くことはできません。ZEDDというアーティストの存在すら、アプリのエラーによって消え隠れてしまっているのです。

同じように、One Direction(ワン・ダイレクション)やMariah Carey(マライア・キャリー)などのアーティストも、LINEが用意したバナー画像をタップすれば曲リストを見ることは出来ます。しかし、検索窓に「One Direction」「Mariah Carey」と入力しても、「検索結果がありません」のエラー表示。まるで彼らの楽曲や、アーティストの存在など無かったかのように誤解させてしまうエラー仕様のままリリースされてしまったLINE MUSICの評価は、0点(6/12時点での評価)。Google Playにおけるユーザー評価の平均は、2.9(5段階中)。

実はLINE MUSICには一番期待を寄せています。なぜかと言えば、LINEユーザーの多くが若者であり、彼らが「邦楽ラインナップの貧弱さ」を許すわけが無いと思うからです。つまり、彼らの要求するモノ=邦楽の豊富なラインナップを用意することができれば、今までにない定額制音楽配信サービスとして頭一つ抜きん出ることが可能だと予感しているのです。それらの楽曲をタイムラインで共有し、2名以上のユーザー(恋人・友人同士)がLINEチャットを楽しみながら再生できるのならば、「手放すことのできないサービス」として月額を支払うだけの価値が生まれることでしょう。膨大なユーザーを獲得したLINE MUSICは、さらなる楽曲の充実・サービスの向上をはかることができる。そう期待しているのです。

アプリの評価コメント欄を見ると、「ボカロやアニソンが少ない」「L'Arc-en-Ciel、DIR EN GREYなどのロックバンド系が全くない」「東方の曲を用意してほしい」「なんでPerfumeが無いの?」といった意見・要望が書き込まれています。「始まったばかりなんだから我慢して」「わがままを言うな」というのは同じユーザー側だからこそ言える擁護意見であり、LINE側としてはユーザーの望むモノを揃えてこそ、サービスに価値を与えることができるのです。

私の個人的な意見は、「サービスが始まったばかりだし、すこし様子を見てみましょう。嵐なんかは難しいと思いますが…」といった、非常にヌルいものではありますが、その一方で「最初からつまづいたらユーザーは一発で見切りをつける。嵐やPerfume、ボカロの有名曲も用意できないようではLINE利用者を満足させることは到底無理でしょう」といった考えも強く抱いています。



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AWA(avex・Cyber Agent)の評価…0点。 STARTから進む事ができないため

エラーによってアプリを使うことすらできないため、6/12現在の評価は0点です。アプリ起動後にホーム画面の「START」をタップ。すると、「接続が切れました。しばらく待ってから再度お試しください。」のエラー表示。言葉通りに“しばらく待ってくれるユーザー”など、おそらくは少数。私は1時間後、2時間後、4時間後、そして8時間後に再トライしてみましたが、同様のエラーメッセージ。多くの人たちはtwitterで「ホーム画面に辿りつくことすら出来ないクソアプリ」と書き残すか、アプリの評価欄で怒りをぶつけて去っていくことでしょう。Google Playにおけるユーザー評価の平均は、3.1(5段階中)。もちろん、難なく利用できているユーザーもそれなりにいるようです。

ちなみに「START」をタップしても先に進めない問題は、LTE接続することで解消されました。しかしアプリを立ち上げてもそのような注意文(Wi-Fi接続で繋がらない場合、LTE接続を試みてください等のメッセージ)は無く、Google Playのユーザーコメントにて判明した次第です。Wi-fi接続ができないのであれば、LTE(データ量制限や課金プランのある通信方式)を使って膨大な通信データを受信しなければなりません。ユーザーがこれを良しとするはずもなく、Google Playのアプリコメント欄には通信量に関する不満などが書き連ねられています。

サービス開始直後にもかかわらず、このような失態をおかしてつまづいたAWAの評価は0点。この失態によって「AWAを使ってみよう」と思ったユーザーの大半を逃してしまったわけですから、松浦勝人社長(avex)が呆れて苦笑いしそうなくらいの大失態だと思います。実は私がAWAをダウンロードしてみようと思ったきっかけも、松浦社長のインタビュー記事を読んで関心を持ったからなのです。「サブスクリプションはスマホ時代にフィットした音楽視聴形態」と述べる松浦社長に興味を惹かれてダウンロートしたわけですが、早くもサービスの不親切さを感じてしまい、アンインストールとなりそうです。ユーザーに「不親切であること」を察知されたサービス・アプリに、明るい未来が待っているとは思えません。親切なアプリとして改善されることを期待します。

Wi-Fi環境ではアプリ起動後の画面から進めない
LTE接続により先に進めたものの、英語だけのホーム画面を見て使う気が失せる



アプリやサービスの開発・設計に携わる皆様に期待しています

ご覧のとおり、各社がいっせいに躓(つまづ)いている現状をチャンスと捉えていただきたく思います。Wi-Fi接続ではホーム画面にすら到達できないAWA(アワ)に、検索すらできないLINE MUSIC(ライン・ミュージック)。終わりを迎えたMusic Unlimited(ミュージック・アンリミテッド)と、始まってすらいないPlayStation Music(プレイステーション・ミュージック)。日本国内のサブスクリプション型(定額制)音楽配信サービスは、今まさに、華々しいスタートを切ったのです。

まるで小学校の運動会を眺めているかのようなデッドヒート。バトンを落としたLINE、バトンの受け渡しに失敗したAWA、スタートの合図を聞き逃したPlayStation Music。棄権したMusic Unlimited。これぞ日本のウェブサービス!と拍手を送りたくなるような現状です。…などと皮肉めいたことを言ってしまいましたが、やはり音楽ファンとしては、「アプリの操作くらいはスムーズにできてほしい」「検索はちゃんと出来なきゃ困る」、というのが本音です。音楽が好きだからこそ、各社のアプリとサービスが素晴らしいものになることを期待しています。

私はTSUTAYA DISCAS(ツタヤのCDネットレンタル)を3年ほど利用していました。月額3,900円を3年間、トータル14万円です。長期間サービスを利用し続けている方や、ヘヴィユーザーたちの総支払い額はさらに大きなものでしょう。価格などは問題ではありません。月額1000円、500円でも良いでしょう。そこに聴きたい音楽があるのか、無いのか。大切なのはそれだけです。

特に、ここ日本において邦楽の充実を欠くことは、サービスの可能性・発展を自ら否定する行為であるとすら思っています。LINE MUSIC、Apple Music、AWA。どのサービスが邦楽ラインナップでユーザーを満足させてくれるのか。私の関心事はその一点だけです(ソニーは恐れずにPlayStation Musicを国内提供して下さい…)。

おしゃれなインターフェースと、快適なユーザーエクスペリエンスを謳う定額制音楽配信サービス提供各社が、“音楽ファンが本当に望んでいること”にいち早く気づき、反映させてくれることを心から願っています。

■邦楽のラインナップを充実させてほしい、という訴えです
定額制音楽配信は根付くか?LINEやApple Musicに期待する事

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※覚えておきたい、定額制音楽配信サービスの基礎用語

定額制音楽配信サービスの説明記事で目にする頻出単語・サービスの名前をまとめました。

サブスクリプション型サービス
月額や年会費を払って利用する定額制サービスのこと。定額制音楽配信のことを指して「サブスクリプション」「サブスクリプションサービス」などと説明する場合があります。“申し込み”や“購読契約”を意味する「subscription」から。

Apple Music(アップル・ミュージック)
アップルが発表した定額制音楽配信サービス。月額9.99ドル(約1250円)、2000万曲聴き放題。

LINE MUSIC(ライン・ミュージック)
LINEによる定額制音楽配信サービス。月額500円~(学生ユーザーは300円~)。150万曲以上聴き放題。

Spotify(スポティファイ)
6000万人のユーザーと1500万人の有料会員を抱える世界最大の定額制音楽配信サービス。サブスクリプション型サービス(定額制聴き放題)を語る上で、ほぼ必ず登場するサービス名でもあります。

PlayStation Music(プレイステーション・ミュージック)
ソニー・ネットワークエンタテインメントインターナショナル(SNEI)とスポティファイ(Spotify)による定額制音楽配信サービス。3000万曲以上聴き放題。世界41カ国が対象。日本でのサービス提供は未定。

Music Unlimited(ミュージック・アンリミテッド)
ソニー(SCEおよびSNEI)による定額制音楽配信サービス。1500万曲聴き放題。2015年3月末にサービス終了(⇒さよならMusic Unlimited。終了・失敗の原因7つを探る)。

AWA(アワ)
エイベックス・デジタルとサイバーエージェントの共同出資による新会社・AWAによる定額制音楽配信サービス。邦洋・数百万曲聴き放題。月額360円~。

■2015年3月末にサービスを終了したソニーの定額制音楽配信サービスです
さよならMusic Unlimited。終了・失敗の原因7つを探る

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