SD Insightの使い方をご紹介します。
microSD製造メーカー、スマホのeMMC(ストレージ)製造元を調べることができる定番アプリです。
SD Insightとは?
SD Insight(エスディー・インサイト)は、スマホの内蔵ストレージとして使われているeMMCの製造メーカーをチェックすることができるアプリ。
microSDのコントローラ製造メーカーをチェックすることもできます。
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SD Insight
使い方
1. アプリをインストールする
2. 起動する
3. SD Card / MMC Card / SDIO Cardタブを切り替えて情報を見る
SD Insightでわかる情報
・ SD Card
microSDカードの製造メーカー/容量/製造年月など
ORIGIN IS UNKNOWNはメーカー不詳。判別不能
SD CARD IS INVALIDは偽物の可能性アリ。確定ではない
正規品かニセモノかを判別するための参考材料になる
・ MMC Card
スマホのストレージに使用されているeMMCの製造メーカー/容量/製造年月など
・ SDIO Card
SDIOカードの製造メーカー/モデル名/無線LANチップの詳細情報
eMMCの製造メーカーを調べる
SD Insightをインストールし、起動します。
画面左上に「SD Card」と表示されていれば、「MMC Card」にタブを切り替えます。これにより、あなたのスマートフォンで使われているeMMC(本体ストレージ)の製造メーカーが分かります。
microSDが未挿入であれば、最初から「MMC Card」が表示されます。タブ切り替えをする必要がなく、いきなりeMMCの製造メーカーが表示されます。
MANUFACTURER(製造メーカー)、MODEL(モデル名)、SIZE(容量)、MANUFACTURER DATE(製造年月)が表示されます。
画面右上にある目のアイコン(赤枠)をタップすると、詳細情報をチェック可能。
SD Insightで判別可能なのはeMMCの製造メーカー。NAND型フラッシュメモリの製造メーカーまでは判別できません。
しかし、サムスン、東芝、サンディスクは、NAND製造メーカーであると同時に、コントローラ、eMMCの設計開発もおこなっています。3社が表示されたら、コントローラとNANDが同一メーカーである可能性は高いです。
eMMCの製造メーカー
私が所有するスマートフォンのeMMC製造メーカーです。eMMCには画像・音楽・動画などのデータが記録保存されます。内蔵ストレージ、ROMのことです。
左はXPERIA X Performance。SKハイニックス製eMMCが使われています。
右はXPERIA ZL2。サムスン製eMMCが使われています。
同じ端末であっても、eMMCの製造メーカーは個体ごとに異なる場合があります。私のXPERIA X PerformanceはSKハイニックス製eMMCが使われていますが、あなたのXPERIA X Performanceはサムスンや東芝製eMMCかもしれません。
2017年発表のXPERIA XZ Premiumは、eMMCよりも高速なUFSを採用。eMMCとUFS、どちらもNAND型フラッシュメモリが使われています。NANDにコントローラを搭載したものがeMMCやUFSとなって、私たちのスマートフォン内蔵ストレージ(ROM)に組み込まれています。
SDIOカードを調べる
SDIO Cardというタブに切り替えます。
SDIOカードのMANUFACTURER(製造者)、MODEL(モデル名)などが表示されます。目のアイコン(赤枠)をタップすれば、さらに詳しい情報にアクセス可能。
画像は、XPERIA ZL2で使われているSDIOカード。米・ブロードコムのBCM4335が使用されています。IEEE 802.11ac準拠。Bluetooth 4.0通信回路やFMラジオ受信回路を1つのチップに搭載した、無線LANチップです。
SDIOカードはSD規格の一つですが、データの読み書きには使用されません。Bluetoothなどの拡張機能のために使用されます。
microSDカードの中身(製造元)を調べる方法
SD Insightを起動します。
microSDカードが挿入されていれば、すぐさま製造メーカーが表示されます。
右上にある目のアイコン(赤枠)をタップすると、詳細情報をチェックできます。
SD Insightで判明できるのはコントローラ製造メーカー。NAND型フラッシュメモリの製造メーカーまでは判別できません。
しかし、サムスン、東芝、サンディスクが表示された場合、それぞれの自社製NAND型フラッシュメモリが使用されているとみて間違いありません。
コントローラとはNAND型フラッシュメモリの動きを制御・コントロールするための部品で、データの読み書き/削除の制御/エラー訂正などの機能を担います。
製造元が一致するメーカー
サンディスク Ultra 200GB
Manufacturer|SanDisk
サムスン EVO+ 64GB
Manufacturer|SAMSUNG Electronics
東芝 EXCERIA (M302) 32GB
Manufacturer|TOSHIBA
サンディスク、サムスン、東芝のmicroSDカードは、SD Insightで調べたときのMANUFACTURERが一致します。
サンディスク製マイクロSDなら、「SanDisk」。サムスン製なら、「SAMSUNG Electronics」。東芝製なら、「TOSHIBA」の企業ロゴが表示されます。
NAND型フラッシュメモリ売上高ランキング 2016 Q3
1位 サムスン(SAMSUNG)
2位 東芝(TOSHIBA)
3位 サンディスク(SanDisk)/ウェスタンデジタル(WD)
4位 マイクロン(Micron)
5位 SKハイニックス(SK Hynix)
6位 インテル(Intel)
NAND型フラッシュメモリの生産は、この6社がおこなっています。数千億円規模の設備投資が必要であり、技術や人材などの全てにおいて参入障壁が高いため、6社寡占。上位3社でシェア7割超。
6社が製造したNAND型フラッシュメモリを、ファイソン(PHISON)などのメーカーが調達。コントローラを搭載して製品化し、ソニーやトランセンドなどの企業が自社パッケージで販売する、という3段階の流れが一般的です。
ソニー製マイクロSDを買ったのに中身がPHISON、というのは上記理由によるもの。
NAND、コントローラ、ラベル記載メーカーは、3者それぞれ異なるケースが多々あります。サンディスクではNANDやコントローラの開発・製造・組立・販売を自社で一貫しておこなっているため、安定した製品の供給、信頼のブランドという評価につながっています。
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製造元が一致しないメーカー
トランセンド Premium 400x 64GB
Manufacturer|Jiaelec Corp.
ソニー SR-32UZA
Manufacturer|PHISON Electronics
ソニー SR-64UY2A
Manufacturer|Shenzhen Netcom Electronics
ソニー製マイクロSDだからといって、中身もソニーというわけではありません。
ソニー製マイクロSDで多く使われているのは、ファイソン(PHISON Electronics Corp.)という台湾メーカー。SR-64UY2Aには、ネットコム(netcom)のコントローラが採用されていました。
メモリ3社(サムスン、東芝、サンディスク)以外のメーカー製マイクロSDは、基本的に中身のメーカーが一致しないと考えてOKです。
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左は、トランセンドの「Transcend Premium 400x」。中身はJiaelec Corp.。
SDアソシエーション(規格団体)に登録されているものの、オフィシャルサイトがないため詳細不明。キングストンのマイクロSDカードにもJiaelec Corp.のコントローラが使用されています。
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例外的な、MANUFACTURER表示
パナソニック RP-SMGB32GJK
Manufacturer|Panasonic
チーム COLOR CARD 128GB
Manufacturer|ORIGIN IS UNKNOWN
HORI マイクロSDカード 32GB for Nintendo Switch
Manufacturer|SD CARD IS INVALID
パナソニックは、コントローラを自社設計しています。SD Insightでチェックすると、「Panasonic ideas for life」の見慣れたロゴ。安心感を与えてくれます。
使用されているNAND型フラッシュメモリの製造メーカーまではわかりません。しかしPanasonic製マイクロSDの現行商品は、すべて高耐久なMLC NANDが採用されていることで知られています。
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UNKNOWNや、INVALIDの意味
「ORIGIN IS UNKNOWN」と表示される場合、SD Insightに登録されていないメーカー。あるいは判別不可能な場合。
「SD CARD IS INVALID」は、偽物の可能性が高い、とSD Insightの説明にあります。INVALIDは無効という意味。しかしコレが表示されたからといって、必ずしもニセモノとは限りません。
画像右の「SD CARD IS INVALID」は、ニンテンドースイッチ用のHORI マイクロSDカード 32GB(NSW-043)で表示されたもの。任天堂公式ライセンス取得商品であり、Amazon.co.jpが販売・発送する紛れもない正規品を購入しました。
上海問屋から購入した「上海問屋セレクト microSDカード 32GB」においても、SD Insightで「SD CARD IS INVALID」が表示されました。
ベンチマークテストによる転送速度結果がHORI製品と酷似しており、microSD裏面シリアルなどから察するに、HORIと上海問屋セレクトのmicroSDは同一メーカーのコントローラではないかと推測しています。
まとめ
SD Insight アプリで判別できる情報は、eMMC、microSD、SDIOの製造メーカー。
XPERIAのeMMCを調べた場合、サンディスク、東芝、サムスン、SKハイニックスの4社いずれかが表示されるのではないかと思います。
どれが表示されても不安に思う必要はありません。ブランドイメージが与える心理的影響はあるかもしれません。しかし4社いずれもが世界的なメモリメーカーであり、ソニーが認めた製品です。
microSDの製造元を調べた場合に、ラベルのメーカーとSD Insightのメーカーが一致しなかったとしても偽物ではありません。UNKNOWNも偽物ではなく、けっこうな頻度で表示されます。
INVALIDが表示された場合は、疑ってかかる必要があります。ただし100%偽物と判定しているわけではなく、あくまで判断材料の一つとしてとらえるべき情報です。
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