microSDカードが高く売られている理由を解説したいと思います。
SanDiskのマイクロSDカードがサムスンよりも高いのはなぜか?
ドラレコ向けmicroSDカードはなぜ高いのか?
ヨドバシ.comやドコモショップは、なぜAmazonよりも高いのか?
高値の理由を知ることで、そこに支払う価値があるかを見極めることができます。
microSDカードが高くなる条件
メーカー
東芝、サンディスクはメモリ製造のトップ企業なので高い
ソニー、パナソニックはブランド力のある日本企業なので高い
容量
大容量になればなるほど、値段も高くなる
転送速度
転送速度が速ければ、値段も高い
信頼性
高耐久な「MLC NAND」を使用したmicroSDは高い
流通経路
量販店やケータイショップの「国内正規品」は高い
1. 国内正規品は、高い
国内正規品は、ヨドバシカメラやビックカメラなどの家電量販店に並んでいる商品。
日本国内の正規の流通経路で販売される商品は「国内正規品」。海外で販売されているものを輸入販売した商品は「並行輸入品」。
コンビニやドコモショップなどのmicroSDは「国内正規品」。Amazonや楽天市場で激安販売されているmicroSDのほとんどは「並行輸入品」。風見鶏、@memoryなども並行輸入品を販売しています。
東芝 EXCERIA PRO M401 64GB
国内正規品 19,440円 ドコモOnline Shop
並行輸入品 4,999円 メモリ専門店・風見鶏
英アマゾン 4,228円(35.46ユーロ)
microSDカードは、内外価格差が顕著。海外で安く販売されているmicroSDを仕入れた「並行輸入品」は安く販売することが可能。広告費やサポート費用などが上乗せされる「国内正規品」は高くなります。
東芝やサンディスクは国内正規品が高い。サムスンやレキサーは国内正規品が安い。ソニーはメモリブランドではないがSONYブランドが通用するので国内正規品が高い。海外では安く販売しているので並行輸入品は安い。パナソニックは内外価格差がないため、「並行輸入品が安い」という常識は通用しません。
メモリショップ「風見鶏」の評判&評価|品揃えと安さでオススメの専門店
2. 大容量化するほど、高くなる
大容量になればなるほどmicroSDは高くなります。128GBまでは倍々で高くなり、256GBは値段が跳ね上がります。
サムスン EVO+ microSD 参考価格
32GB 1,580円
64GB 2,980円
128GB 5,800円
256GB 17,980円
サンディスクが世界初の200GBを発売した時、ライバルとなる200GB製品は存在しませんでした。そのため当時価格は399.99ドル(約4万円)。今でも国内正規品は3万8千円で売られています。
サムスンが世界初の256GBを発売したときの価格は249.99ドル。発売当初から24,980円というバーゲンプライス。今では値引きを含め17,980円で国内正規品が買うことが可能。
256GBを249.99ドルで発売したサムスン。後発のサンディスクは2種類の256GBで迎え撃ちますが、サムスンと同等性能の256GBを199.99ドルで発売せざるを得なくなりました。200GBを399.99ドルで発売したサンディスクが、です。
microSDが大容量化するとき、競合メーカー・ライバル製品の存在は非常に重要。サムスンのように「質の高いmicroSDを安く売る」メーカーが存在することによって、「質の高いmicroSDを高く売る」メーカーも応戦せざるを得なくなるわけです。
SanDisk Extreme 256GBは、A1・U3対応の超高速microSDXCカード
3. トップメーカーは、安売りの必要がない
NAND型フラッシュメモリを製造するトップメーカー3社は、そのままmicroSDカードにおけるトップメーカー3社であると考えられます。
NAND型フラッシュメモリとは、スマートフォンやメモリーカード、SSD、デジカメ、音楽プレイヤーなどのデジタル機器全般に用いられるストレージ部品です。
サムスン(1位)、東芝(2位)、サンディスク(3位)。サムスンはNAND市場シェア30%以上のトップ企業。東芝はNAND発明企業。東芝と同じ工場でNANDを製造するサンディスクは2015年にmicroSD出荷枚数が20億枚を突破。
サムスン(SAMSUNG)
東芝(TOSHIBA)
サンディスク(SanDisk)
これらトップメーカーには実績・信頼・知名度が備わっているため、安売りの必要がありません。高値でも消費者は購入します。特にサンディスクは「信頼のメモリブランド」として認知されているため、ドコモ、au、ソフトバンクも取り扱っています。
携帯ショップでmicroSDカードが高い理由は、国内正規品を定価販売しているから。信頼のブランドだけを取り扱っているからです(サンディスクや東芝など)。
トップ企業にもかかわらず国内正規品が安いサムスン。東芝・サンディスクに対して価格面で差別化を図り、Transcendなど「安さが売り」の台湾勢に対しては「メモリ製造メーカー」の優位性を発揮。高性能&充実のラインナップで激闘を展開しています。
4. 転送速度が速いmicroSDカードは、高い
SAMSUNG PRO+ 7,680円
読み出し95MB/s・書き込み90MB/s
SAMSUNG EVO+ 2,980円
読み出し80MB/s・書き込み20MB/s
microSDカードで重要なのは転送速度。特に「書き込み」の速さです。
転送速度が遅いmicroSDは、転送に時間がかかるためストレスを強いられます。4K撮影には一定の書き込み速度が求められるため、遅いmicroSDでは対応できません。
そのため、メモリーカード各社は「転送速度が遅くて安いmicroSD」と「転送速度が速くて高いmicroSD」の両方をバランスよく展開。同じメーカーに4つも5つも異なる製品がラインナップされているのは、このような理由があるからです。
サンディスクはExtremeシリーズが高く、Ultra、Ultra PLUSは安い。
東芝はEXCERIA PROシリーズが高く、EXCERIA M301、M302は安い。
サムスンはPRO、PRO+が高く、EVO、EVO+が安い。
5. 信頼性の高いmicroSDは、高い
トランセンド High Endurance(ドラレコ向け)
サンディスク High Endurance(ドラレコ向け)
レキサー High-Endurance(ドラレコ向け)
microSDにおける信頼性とは、データが破損しないか。耐久性に優れているか。転送速度が安定しているかなどのポイントです。
microSDに信頼性を求められるシチュエーションは、セキュリティ用途。事故を記録するドライブレコーダー。家庭用の防犯カメラ。お店の監視カメラ。「撮れてなかった」「データが破損していた」が通用しないシーンです。
セキュリティ用途に特化した「高耐久microSD」の多くで、MLC NANDと呼ばれる耐久性の高いチップが使用されています。私たちが普段意識せずに購入しているmicroSDのほとんどはTLC NAND。MLCよりも一段劣るチップだとご理解下さい。
耐久性の高さは、イコール信頼性の高さ。4K撮影用の超高速microSDカードにも、MLCを採用したものがラインナップされています。低価格で知られるTranscendも、赤×黒の「Premium」は安価ですが、金×黒の「Ultimate」はMLCなので高価です。
Transcend Ultimate 64GB
6,980円 MLC NAND使用
Transcend Premium 64GB
3,480円 TLC NAND使用
「激安」の理由も書きました。併せてご覧下さい
microSDカードが安く売られている、5つの理由
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