microSDカードが安く売られている理由を解説したいと思います。
東芝のマイクロSD 32GBは、なぜ1650円で買えるのか?
Amazonランキング1位・2位のサムスン製microSDはなぜ安いのか?
量販店で約4万円の200GBが、Amazonではなぜ9千円台なのか?
安さの裏にある「理由」を知ることで、低価格マイクロSDを安心して購入できます。
microSDカードの値段を左右するポイント
メーカー
一流メーカーは高く、それ以外は安い
容量
容量が大きければ高価、小さければ安価
転送速度
転送速度が速ければ高く、遅ければ安い
信頼性
信頼性が高ければ高価、それ以外は安価
流通経路
国内正規品は高く、並行輸入品は安い
microSDに限定した「一流メーカー」は、サムスン、東芝、サンディスク。大容量は128GB・200GB・256GB。小容量は32GB・16GB。国内正規品にはメーカー保証があり、並行輸入品にはメーカー保証がない。
転送速度の「遅い」の目安は、読み出し48MB/s以下・書き込み20MB/s以下。速いの目安は、読み出し95MB/s・書き込み80MB/s付近。MLC NANDを使用したmicroSDは高耐久で高信頼。それ以外はMLCより一段劣るTLCが使用されている。
※伝わりやすさを優先し、細かな解説/例外/注釈は省きます
1. 安さで勝負しなければいけないメーカー
Transcend(トランセンド)
Silicon Power(シリコンパワー)
TEAM(チーム)
これらは、Amazonや楽天でも「安いmicroSD」として有名なメーカーです。
サムスン、東芝、サンディスクなどのトップ企業に比べて、技術・製品・ブランド力、知名度などのあらゆる点で不利なメーカーは、安さで勝負するしかありません。
Transcendは安いメーカーの代表格として知名度抜群。TEAMは美しいデザインで人気のメーカー。しかしわずか数百円の値上げで消費者が離れ、ランキング順位が大変動する様子を見ると、やはり「安さ」で選ばれているメーカーだと判断できます。
トランセンド
amazon|楽天市場
チーム
amazon|楽天市場
2. トップメーカーのmicroSDを「輸入したもの」は安い
東芝(TOSHIBA)
サンディスク(SanDisk)
ドコモショップのmicroSDはこの2社。サンディスクは、au、ソフトバンクでも取り扱われています。低品質なmicroSDで迷惑をかけることが許されないキャリア3社によって選ばれた信頼のブランドが、サンディスクと東芝。
SanDisk 200GB microSDカードの価格
77.38ドル|amazon.com(米国)
9790円|amazon.co.jp(日本・並行輸入品)
3万8620円|家電量販店(日本・国内正規品)
ヨドバシ、ビックカメラは、税込み3万8620円。高いです。しかしメーカー保証のある国内正規品です。amazon.co.jpでは9千円台で販売されています。安いです。なぜならメーカー保証のない、海外からの並行輸入品だからです。
米国のamazon.comでは8592円(77.38ドル)で販売されています。もちろん正規品です。海外は安い、日本国内は高い。microSDカードは「内外価格差」が大きいため、海外から輸入されたmicroSDは、国内正規品にくらべて大幅に安いのです。
サンディスク 200GB
amazon|楽天市場
3. トップメーカーが、最初から安く販売している場合
サムスン(SAMSUNG)
microSDカードに使われているNAND型フラッシュメモリの世界シェアは、サムスン(1位)、東芝(2位)、サンディスク(3位)。
NAND分野において東芝・サンディスクをしのぐ市場シェアを誇るサムスンですが、その戦略は「高性能なものを高く売る」のではなく、「質の高いものを安く売る」ことによって圧倒的シェアを堅守するというもの。
東芝、サンディスクの国内正規品は高く、サムスンの国内正規品は安いです。東芝、サンディスクの並行輸入品は安いかわりにメーカー保証がありません。サムスンは国内正規品なのでメーカー10年保証がついています。
体力のあるトップ企業だからできる、強者の戦略。NAND供給不足によって各メーカーがmicroSDの価格を引き上げる中、サムスンは最後まで低価格を維持し続け、Amazonにおける最大のライバル・Transcendが在庫不足に陥る中でも、低価格を守り抜き、在庫を切らさないことでAmazonランキング1位・2位を奪い去りました。
サムスン
amazon|楽天市場
4. トップ3社に比べると、ブランド・商品力が劣る場合
レキサー(Lexar)
レキサーは、マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)のブランド。
マイクロンは、NANDメーカー主要6社に含まれる大手です。超高速なSDカードが人気のメーカーでもあります。しかし東芝、サンディスク、サムスンの3社に比べればブランド力が弱く、microSDカード分野における人気・知名度も高くはありません。
同じ価格で勝負を挑んでも優位性を確保できないため、「国内正規品なのに安い」という価格戦略をとっているのがレキサーです。サムスンも同一戦略ですが、レキサーはサムスンが販売していない「UHS-II対応microSD」のラインナップが充実。しかも安く販売しているため、ユーザーから高く評価されています。
レキサー UHS-II
amazon|楽天市場
5. メモリブランドではない、周辺機器メーカー
ELECOM(エレコム)
I-O DATA(アイ・オー・データ機器)
ELECOMやI-O DATAはパソコン周辺機器メーカーとして有名ですが、メモリブランドではありません。どちらの会社も、メモリブランドから仕入れたOEMのマイクロSDを販売しています。
周辺機器メーカーとして知名度が高くユーザーも多いため、他社からのOEMであっても安ければ売れるわけです。「上海問屋セレクト」の低価格microSDカードもOEM。任天堂公式ライセンス取得のHORI製マイクロSDカードもOEM。
サンワサプライでは、TranscendとTEAMのマイクロSDを直販サイト「サンワダイレクト」で安く販売しています。
アイ・オー・データ機器の子会社「ITGマーケティング株式会社」は、日本サムスン販売特約店。Amazonなどで売られているサムスンのmicroSDは、ITGマーケティングが販売元。三菱化学メディアのブランド・Verbatim(バーベイタム)のmicroSDも、アイ・オー・データ機器が国内総代理店を務めています。
まとめ|安いmicroSDカードのおすすめ
安いmicroSDカードのおすすめは、サムスン、トランセンド、TEAM。
サムスン(SAMSUNG)は純然たるメモリメーカーであり、NANDマーケットシェア1位の一流メーカー。業界1位のポジションに甘え奢ることなく、高性能なmicroSDを安く販売しています。
トランセンド(Transcend)は、長年にわたってAmazonランキング1位。年間ランキングで上位を独占するほどの人気。売れている、人気があるといった事実は、microSDカードについて詳しくないユーザーに大きな安心感を与えてくれます。
チーム(TEAM)は、カラフルで美しいmicroSDカードが人気のメーカー。見た目だけではなく、転送スピードも速いことが支持されている理由です。サムスンに食らいつく圧倒的安さで勝負を挑んでいます。
安さでおすすめのmicroSDカード
サムスン
amazon|楽天市場
トランセンド
amazon|楽天市場
チーム
amazon|楽天市場
64GB価格は、サムスンが2,980円。トランセンドが3,450円。チームが2798円。いずれもメーカー保証つきの国内正規品。2017年3月30日現在のAmazon価格。
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