2015年2月28日土曜日

XPERIA Z3やZ4はホントに使える防水スマホなのか?



「エクスペリアの防水って、実際のところどうなの?」という疑問をお持ちの方のために、いちXPERIAユーザーなりの感想を述べたいと思います。

私は防水スマートフォンという点にメリットを感じ、XPERIAへの機種変更を決意しました。同じように「防水性能」に魅力を感じてエクスペリアへの機種変を検討されている方の参考になれば幸いです。

お風呂での使用に関してソニーはどのような注意点を挙げているかなどを含め、実際に防水性能を使ってみた感想、日常生活でどのように役立っているかなどの本音も語ります。



XPERIAの防水性能をどのように活用しているか?

日常生活においてエクスペリアの防水性能がどのように役立っているか、役立っていないか。感想を絡めつつ書いてみます。「このようなシーンで使いたい」、こんな人には防水性能が役立ちそう、などの提案も挙げてみたいと思います。

お風呂には怖くて持ちこめない

防水スマホである以前に、スマートフォンは精密部品のカタマリです。そんなスマートフォンXPERIAを、風呂場で使うのはやはり怖い。具体的な不安点のひとつが、湿度です。高湿度のバスルームでスマートフォンを使用すれば、内部が水滴で曇る、結露するといった状態は容易に想像できると思います。湿度の問題は、防水であるかどうかにかかわらず生じる問題です。ソニーも注意書きで「寒い屋外から暖かい浴室などに急に本機は持ち込まないでください」としています。一度室内に置いて本体が温まってから持ち込むことを推奨しています。

「風呂の時くらいスマホを控えるべき」といった考えはありません。私自身は風呂場で使う必要性を感じていませんが、生活スタイルによってはお風呂に浸かりながらテレビを見たい、ネットを見たいと思う方もいるでしょう。XPERIA Z3の但し書きには、「本機は試験基準に基づき高湿度条件下(浴室など)で利用できることを確認しております」の一文があり、SONYもバスルームでの使用を想定した上で、XPERIA Z3を世に送り出しています。適切な条件下で正しい使い方をすれば、「風呂場での使用は厳禁」というわけではありません。浴室での使用においては、十分な注意を払うことが必要です。
XPERIA Z3 Tablet Compactも防水仕様





スマホを水洗いしたい。そんな時に、防水性能は重宝する

防水スマホにおける最大のメリットといえるのが「水洗いできる」という点ではないでしょうか。アウトドアシーンで防水が活躍することも想定されますが、より身近に防水であることの恩恵を感じられるのは、「スマホを丸ごと水洗いできる」ということ。エクスペリアを日常で使い続ける中で、私はそう感じてます。

手の汚れによってベタついたスマートフォンを丸ごと洗いたいと感じたことが1度はあると思います。防水対応のXPERIA Z3やZ2であれば、それが可能です。スピーカーやストラップホールの小さな穴に溜まったホコリを放置すれば、固着してしまう可能性も考えられます。側面のわずかな隙間を見てみれば、ホコリや手垢が入り込んでいたりするでしょう。そのような汚れも、ぬるま湯で浮かせて洗い流すことができるのです。水洗いできることが、XPERIA防水性能の最大のメリットだと感じています。

XPERIAの洗い方

防水対応のXPERIAを水洗いする際に、熱いお湯を使ったり、洗剤やハンドソープを使用する洗い方は禁物です。水洗いだけで汚れはじゅうぶん落とせます。せっけんや入浴剤も避けてください。水道水(真水)かつ常温(5~35度)での使用に限定されています。

隙間に入り込んだゴミやホコリは、歯ブラシでやさしくブラッシングしてかきだしてやると綺麗になります。あまり強くこするとパッキン部分などに影響がありそうなので、汚れを浮かせる程度の気持ちで、やさしくこするのがよいと思います。

XPERIA Z2やZ3のイヤホン端子は、キャップレス防水。蓋を閉める必要はありません。ただし、水が溜まったままでイヤホンを挿したり充電することは厳禁です。カメラ用のブロアーなどを使って、端子に溜まった水を吹き飛ばしましょう。マイクロSD挿込口やmicroUSB端子は防水ではないので、しっかりとフタを閉めてください。

水洗い後の仕上げには、スマホ用クリーニングクロスがおすすめ。水滴を拭き取れば、購入時のようなサラサラの手触りになります。

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釣りやアウトドアで汚れた手。それでも気にせず操作できる

水に濡らせることができるという直接的なメリットよりも、水洗い可能なことによって「汚れた手でも気にせず操作できる」ことのほうに大きな魅力を感じます。私は海釣りが好きですが、たとえタオルで拭き取った手であっても、エサや生臭い魚をさわった手でスマホを操作することは憚(はばか)られます。

しかし、防水対応のXPERIA ZL2ならば水洗いができるので、汚れた手でも気にせず操作できます。海釣りをされる方であれば、釣果を写メで記録したいと思うでしょう。タコ、イカ、マダイ。なんでも気にせず撮影ができます。

XPERIA Z3やZ3 Compactは、防塵性能(IP6X)も有しています。アウトドアにおける多少の風塵ニ対しても強さを発揮します。グラウンドで砂埃をかぶってしまっても、水洗いで汚れを落とすことができます。釣りや野球、サッカー、アウトドアなど、手が汚れたり砂埃の舞うような環境でスマホを使いたい方にも、防水・防塵スマートフォンのXPERIAはおすすめできます。

サイズ的には今までで一番の大物です(防水ではないガラケーで撮影)


雨の屋外やキッチンでも、気にせず取り出せる

あまりに基本的なポイントではありますが、雨でも気にせず使えてしまうのが防水スマホの良いところ。濡れた手でXPERIA Z3を操作することに何の問題もありません。手を洗ったあとに濡れたままでエクスペリアを触っても大丈夫です。雨の屋外だけでなく、キッチンでの操作にも防水性能が役立ちます。

雨粒が当たっても平気



アクティブに使うためではなく、安心感を得るための防水

XPERIA  Z3やZ2は、IPX5/IPX8等級を有するまぎれもない防水スマートフォンです。しかし私の実感としては、アクティブに使うための防水ではありません。防水性能に関する制約の多さや、水滴が触れたときのタッチパネル暴走を知ってしまえば、海や水辺でアクティブに使うことは困難だと感じるのです。国内向けのプロモーション映像や画像で、海・プールでの使用風景が見られない理由は、そのようなシーンであまり使ってほしくないからなのかもしれません。突然の雨や、濡れた水で触っても大丈夫な、「安心感を得られる防水」という認識で私は使っています。




XPERIA防水性能、ここに注意!

XPERIA Z3やZ2、ZL2はまぎれもない防水仕様のスマートフォンです。IPX5/IPX8の防水性能を有しています。しかし、湯船につかりながらネットしたり、海に持ち出せるのかと問われれば、「YES」とハッキリ言えない事情があります。防水性能を保証するための条件を守らなければ、浸水の恐れがあります。機能面での障害が見られなかったとしても、ガラスやレンズが曇ってしまったという事例はいくつか報告されています。「ここに注意」というポイントを挙げてみたいと思います。


1. 水温は5~35℃の常温でなければならない

XPERIA防水性能の条件として、「常温で使う」というものがあります。常温とは、5度~35度の水温を指しています。もしも40度を超えるお風呂にXPERIAを沈めてしまえば、防水性能の保証対象外となってしまうのです。

私も購入当初は「お風呂に浸かりながらネットを見よう」などと意気込んでいました。しかし、常温での使用が条件であると知ってからは、お風呂で使う気は失せました。そもそも、防水とはいえ精密機械のひとつなので、キケンがいっぱい潜んだ風呂場での使用には向かないはずです。防水であっても、防湿ではありません。湿気でエクスペリアの内部が結露する可能性もあります。実際に、カメラレンズが曇ってしまったという不具合報告も寄せられています。

わざわざ危険を冒すくらいなら、入浴中のスマホは我慢しようという結論に至りました。お風呂で使いたいという気持ちも好奇心から来るものであって、四六時中スマホが手放せないスマホ依存症というわけではありません。お風呂で使えないという事は、私にとって大きな問題ではありませんでした。
キッチンで使う分には、常温の範囲内でおさまると思います。しかし冬場は要注意。温かい水を使いたくなるものです。5~35℃の水温を意識して、ぬるま湯で洗うことをおすすめします。



2. 水道水(真水)でなければならない

XPERIAの防水性能は、水道水(真水)で使われることを条件としています。海水などはNG。海水浴に持ち出して、多少の水しぶきがかかる程度であれば問題ないでしょう。しかし、海中で撮影するなどのアクティブな使い方は避けたほうが良さそうです。真水であれば入り込まないケースでも、海水であれば浸水してしまう可能性が考えられます。台所で使う場合にも、常温の水道水ならばOKですが、熱いお湯や油にまみれた水、ソース・醤油などには注意が必要です。


3. 石けん、洗剤、シャンプー、入浴剤はNG

石けんや洗剤を使ってXPERIAを洗ってはいけません。真水(水道水)ではないからです。風呂場で使用すれば、シャンプーなどがかかってしまう恐れもあります。浴槽に入浴剤を入れてしまえば、真水ではなくなります。この事からも、お風呂での使用はあまりおすすめできません。


4. 水滴がつくと、タッチパネルが暴走する可能性も

私が使っているXPERIA ZL2は、水滴がつくとタッチパネルが暴走します(タッチ暴走などと呼ばれます)。水滴のついた部分が、高速連打したかのような状態になるのです。指で操作しているわけでもないのに、タタタタタン…!と高速連打されてしまうので、思わぬ操作を招いてしまいます。メール作成中に勝手に送信してしまったり、アプリやファイルを削除してしまう可能性も出てきます。実際に、お風呂でネットを閲覧している時にタッチ暴走が始まり、次々とリンクを開くケースがありました。これを経験してしまうと、とてもお風呂で使う気にはなれません。


5. IPX5/IPX8の防水性能、IP6Xの防塵性能を理解する

IPX5(防水性能):内径6.3㎜の注水ノズルを使用し、約3mの距離から12.5L/分の水を最低3分間注水する条件であらゆる方向から噴流を当てても、通信機器としての機能を有する
IPX8(防水性能):常温で水道水、かつ静水の水深1.5mのところに携帯電話を沈め、約30分間放置後に取り出した時に通信機器としての機能を有する
IP6X(防塵性能):直径75μm以下の塵埃(じんあい)が入った装置内に本製品を入れて8時間塵埃をかくはんさせた後、本製品の内部に塵埃が侵入しない機能を有する

プールで使う場合には、底に沈めないよう注意したい。(写真はトレーニング後の亀田興毅、和毅)



防水性能の高さも、XPERIAを選ぶ理由のひとつ

プールやビーチでアクティブに使うための防水、というよりも、日常における水濡れシーンで頼れる防水、といったほうが適格かもしれません。雨が降った時に安心できることや、XPERIAの汚れが目立ったときに水で洗い流せることは、大きなメリット。「水に浸せる、濡らせる、風呂場で使える」ということよりも、汚れた手で触っても水洗いできるということに最大の価値を感じています。

人によって、防水性能の活用シーンはさまざまです。私が挙げた活用シーンや感想は、あくまで一例にすぎません。条件の範囲内であれば、もっとアクティブに使いこなしている方もいるでしょう。なにより、XPERIA Z3やZ2、ZL2などはIPX5/IPX8の高い防水性能を有するという揺るぎない事実が存在します。使用条件に基づいた使い方であれば、防水に関して心配は要りません。

水深10メートルも耐え抜いた、XPERIA Z2の防水性能

スウェーデン在住男性Alexander Maxénさんが水深10メートルの海にXPERIA Z2を落とした時のエピソードが話題になりました。6週間後に引き揚げられたとき、XPERIA Z2はまったく問題なく電話をすることができ、充電などの機能も正常に作動したそうです。もちろん、XPERIA Z2の防水性能は海中での使用や水深10メートルにおける防水性能を保証していませんのでご注意ください。

高い防水性能も、エクスペリアを使う理由のひとつです。IPX5/IPX8等級の防水性能を有するXPERIA Z3、Z3 Compactは、バスルームやアウトドアなど、場所を選ばずにフル活用できるスマートフォンです。




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