2016年2月23日火曜日

XPERIA Xシリーズ発表に驚きは無い、けれどソニーの挑戦は大好きだ



XPERIA Xシリーズ3機種(XPERIA X、XPERIA XA、XPERIA X Performance)が発表されました。MWC 2016関連のニュースを通じて得た情報から受けた第一印象を書き残しておこうと思います。後々わかることや細かなスペックについての情報もあるかと思いますが、直感が大事!ということでXPERIA Xシリーズ発表に思うところを書いておきます。各モデルの詳細スペックには触れていませんので、メディア情報などをご参照ください。



XPERIA Xシリーズ発表。驚きは無い

機能やデザイン面で興味を惹かれるポイントは多少見られたものの、トータルで見ればそれほど驚きは無い、というのが素直な感想です。というのも、ソニー自身が「新シリーズのスマートフォン」と発表しており、engadget(エンガジェット)の記事中でも、“担当者によると「Xperia XシリーズはXperia Zシリーズとは別ライン」です”と書かれていることから、「XPERIA Zシリーズとはまったくの別物」と考えるべきではないか、と感じたからです。PC Watchの記事タイトルでは「Zの後継となる新ハイエンドスマホ」とあったのですが、“Zに取って代わる後継”というニュアンスにも捉えることができるため、やや違和感を覚えました。ソニーとしても「XPERIA Zに代わるすげえスマホを発売するぜ!」といったテンションではなく、あくまでも“ユーザーのより快適な生活をサポートする”ために別ラインを用意したに過ぎない、のだと推測しています。

「新しいフラッグシップの誕生だ!」といったテンションにはなれず、「海外市場のニーズに合わせたXPERIAの新ラインが登場したのか。ところでXPERIA Z6はいつ発売なんだ?」と思ったのが正直なところです。ソニーモバイルのニュースリリースを見ても、「新シリーズ」や「シリーズ最上位機種、フラッグシップ」といった表現は見られるものの、「XPERIAの新たなフラッグシップ」といった書かれ方はされていないようなので、“XPERIA Zに代わる後継機”には当たらないモデルなのではないかと感じました。発表された3モデル(XPERIA X、XPERIA XA、XPERIA X Performance)のうち、XPERIA X Performanceのみが日本発売予定(2016年夏)という事実からも、どこか遠くの国で起こってる出来事かのように、今回のXPERIA Xシリーズ発表報道を眺めていました。


XPERIA Xシリーズ発表直後に受けた、率直な印象
・海外市場を主なターゲットとして発表されたモデルであり、「XPERIA X Performanceのみ日本発売予定」とアナウンスされていることからも、日本の市場やユーザーを意識したモデルではないと感じた
・「XPERIA Zシリーズとは別ライン」との関係者談がニュースメディアに書かれており、XPERIA Zに取って代わるフラッグシップではなさそう
・スペック偏重の競争を続けても海外市場のシェア争いを勝ち抜くことは難しいため、差別化を図り、XPERIAのブランドイメージを強固なものに、方向性をより明確なものにすべくXPERIA Xという新シリーズを打ち出してきた
・XPERIA X Performanceのみ防水対応。つまり、「防水性能が欲しければXPERIA M4 Aquaを買ってね。新たに防水モデルを投入する用意もあるよ(だから買えよ)」というソニーからの海外市場に向けたメッセージ
・ソニーは少数のスマホ好きをメインターゲットにしているわけではなく、最もボリューム(人口)の多いユーザー層を相手にビジネスを展開しているため、XPERIA Xシリーズに落胆するスマホ好きがいたとしても不思議ではない、むしろ自然な反応だと思われる
・3モデル中、2つのモデルが海外市場でのみ発売という事実も忘れてはならない

・初代XPERIA Zから3年続いた「Zシリーズの歴史」を、XPERIA Z4(発熱)でつまづき、決して大ヒットしたとはいえないXPERIA Z5をもって完結させるはずがない、という個人的な見方(願望)
・XPERIA Zは終わらない、というかXPERIA Z6は順当に発売されるだろう、という見方⇒ソニーモバイル商品企画担当・伊藤氏「Xperia Z5は最後のZシリーズ、Z6という製品は出てこない」と名言(engadget
・XPERIA Z5 Premiumが示した進化の方向性(4Kディスプレイ&5.5インチ大画面)や、XPERIA Z5 Compact(4.6インチ端末)と被るモデルが無いため、やはりXPERIA Xシリーズをもって日本市場を戦うつもりは無いのだろう、との見方
・スペック争いからやや外れた感のあるXPERIA Xシリーズ、その狙い・戦略をユーザー側がどのように受け止めるのか、楽しむことができるのか、気になるところ




XPERIA Xシリーズは、“コミュニケーション&ライフスタイル特化型”

驚きや衝撃を感じなかった理由として、ソニーが海外市場で展開しているモデル(XPERIA M4 Aqua、XPERIA C4など)が示す方向性に共通したものをXPERIA Xシリーズに感じた、という点が挙げられます。海外で発売されているXPERIA C4はセルフィー(自分撮り)、XPERIA M4 Aquaは防水性能を前面に押し出した“特化型”のモデル。ではXPERIA Xシリーズは何に特化しているのか?と言えば、コミュニケーションであったり、人々のライフスタイルに寄り添うモデルという点に特化しているのだと考えます。ディスプレイの大型化やバッテリーの大容量化といった“高機能”の方向へは進んでいないことからも、やはり快適性の追求や、日常に溶け込むスマートフォンを目指したモデルなのだと思います。

XPERIA Xシリーズの「X」には、“人と人との交差。ユーザーに寄り添いながら、出会いが育むコミュニケーションをサポートする新しいXperia”という意味が込められているそうです(RBB TODAYの記事より)。これに関しては、機能面に目を向けると納得できる点がいくつか見られました。



カメラ機能とバッテリー性能に見る、XPERIA Xシリーズの理念

たとえば、カメラ機能。XPERIA XとXPERIA X Performanceの2モデルは、1300万画素&22mmレンズのインカメラを搭載。22mmの超広角レンズは、多くの人物や風景・情報を広く写し込めるという点で「写真を通じたコミュニケーションの提唱」であると感じました。暗い場所でも明るく撮れるExmor RS for mobileイメージセンサーを搭載し、F値2.0の明るいレンズと1300万画素の高解像度を誇るインカメラは、Instagram(インスタグラム)に代表される写真系SNSへの投稿で強みを発揮しそうです。特に海外ではインスタグラムの勢いがめざましく、海外市場に目を向けたXPERIA Xシリーズもまた、時代の潮流を踏まえたモデルなのだと実感します。XPERIA Z5の高速(0.03秒)オートフォーカスは非常に優秀かつ実用的な機能だったので、被写体の動きを予測できる“先読みオートフォーカス機能”にも期待がかかるところです(XPERIA X、XPERIA X Performanceの背面カメラに搭載)。

Qnovo社と共同開発したバッテリー最適化技術によって、「2倍のバッテリー寿命」と「充電スピードの高速化」というメリットを享受することができます。これも「ユーザーのより快適な生活をサポートする」というXPERIA Xシリーズの理念に基づいた機能の一つといえるでしょう。大容量化の方向へと闇雲に舵を取るのではなく、技術の力によってバッテリーライフの長寿命化を目指す。ソニーらしい挑戦だと思います。ただ、電池容量が3000mAhを下回っている点については思うところがあるので、下記で言及したいと思います。




3000mAhを下回る、XPERIA Xシリーズの電池容量

Qnovoとソニーの技術によって「最大2日間の長時間バッテリー性能」を実現したXPERIA Xシリーズ。個人的な考えを言えば、高機能・大画面スマホの基準ともいえる3000mAhのバッテリーを搭載することによって「電池持ちのよいXPERIAスマートフォン」を印象づけるハッタリも必要ではないか、という思いは拭えません。3000mAhという数字は一定の安心を与え、2700mAh(XPERIA X Performance)や2620mAh(XPERIA X)といった数値は、やや心もとない印象をユーザーに植え付けるのではないかと危惧するからです。あえて電池容量を抑えている背景には、ボディの小型・軽量化といったメリットが存在し、この容量でも十分なバッテリー寿命を提供できるという自負があるからだと思うのですが、同等性能を持つ他社スマホが軒並み3000mAh前後の電池容量を搭載している昨今、ソニーの戦略(電池容量は控えめ)は成功するのか、見守りたいところです。ちなみに先ごろ発表されたギャラクシーS7、S7 edgeは、それぞれ3000mAhと3600mAhの大型バッテリーを搭載しています。

多くのユーザーにとって電池持ちは大きな関心事です。スマホを購入する際には、バッテリー性能を気にして比較検討することでしょう。その際、ユーザーの心に大きな安心感を与えるのは、ソニーの性能試験による“バッテリー効率・性能の良さ”ではなく、ハッキリと数値化されたバッテリー容量なのではないかと感じるのが本音です。XPERIA Z3の3100mAhをピークに、XPERIAの電池容量はだんだん減少しています。この点については、ソニーが辛抱強く「バッテリーの持ちは電池容量の大きさに必ずしも比例しないのだ」ということを証明、発信し続ける必要があるのかもしれないと感じました。

電池容量(バッテリー)
XPERIA Z3:3100mAh
XPERIA Z4:2930mAh
XPERIA Z5:2900mAh
XPERIA X Performance:2700mAh
XPERIA X:2620mAh
XPERIA XA:2300mAh



XPERIA Xシリーズのデザインに見る、XPERIAの真髄

XPERIA Xシリーズのデザインに関して、ボディ背面のアルミ合金×ヘアライン加工がもたらすマテリアル(素材)感、高級感といったものは面白いと思いました。新たな扉を開こうとする、ソニーのチャレンジ精神を感じます。ただ、XPERIAの最高峰にふさわしいものであるかと問われれば話は別で、やはりデザインの面においてもXPERIA Zの流れを汲んでいるだとか、ましてや後継モデルといった考えではなく、あくまでも“XPERIAの新シリーズ”としてXPERIA Xシリーズを投入してきたのだと感じました。飴のようにトロンとした質感の美しいカーブガラス、全体的に丸みを帯びたフォルムから受ける柔和な雰囲気など、XPERIA Zシリーズとは別物です。XPERIA全製品の頂点に立つフラッグシップ、といった印象も受けません。しかし、全てのXPERIAに共通して感じられる高級感、上品かつ上質なイメージはしっかりおさえた作りであると感じました。

新興メーカーが得意とするモデルごとの大胆なデザイン変更、統一感に縛られることのない多種多彩なラインナップ展開をソニーがやれば、世間をあっと言わせることは容易いのかもしれません。しかし、たとえ「代わり映えがしない」「いつまでたってもデザインが変わらない」と揶揄されようとも、一見してそれがXPERIAだと分かるデザイン、一貫したデザイン思想を貫くソニーのやり方に惹かれるファンが多いことも事実です。どの層に向けてアプローチしたいのか?それによって製品のカタチも異なってくるわけですが、ソニーは“XPERIAを買い求めるユーザーの姿”をしっかりと把握し、ターゲットを明確に意識したデザインを投入し続けているのだなぁと、XPERIA Xシリーズのデザインを目にして再認識した次第です。XPERIA Zシリーズとは別物であるXPERIA Xシリーズの投入によって新境地を見せつつも、XPERIAが大切に培ってきたブランドの芯は外さない。デザインの軸はブレない。これこそがソニー、XPERIAの真髄なのだと感じました。




いつもありがとう、ソニー。

XPERIAの新しいモデルが発売されるたび、製品設計やデザインに携わる開発者たちの想い、それを形にするためにチーム一丸となって製品作りをおこなう姿を想像します。どんな製品をリリースしたとしても、辛辣な意見・評価というのは常に付いてまわるでしょう。スペック面の話題に比重が偏りがちなスマートフォンの世界ではありますが、ヒトがヒトに対して作る・届ける製品である以上、XPERIA Xシリーズが標榜する「人々をコミュニケーションでつなぐデバイス」といった側面から製品を見つめてみるのも面白いのではないかと思います。なぜスペックを抑えたのか。どうしてこの機能は強化したのか。「人と人をつなぐデバイス」というXPERIA Xシリーズの理念をイメージしてみることで、なるほどと思える点がいくつか見つかりました。

ネット上であまり目にすることがない言葉なので私から言っておきたいと思いますが、いつも面白い製品をリリースしてくれてありがとうソニー。SONYが発表するXPERIAスマートフォンによって、日本が、そして世界中のスマホオタクとXPERIAユーザーが沸き立つ姿は最高に愉快でハッピー。何を言われようとも、XPERIAであることをやめないソニーが好きです。港区の本社前で愛を叫びたいほどにソニーが大好き。XPERIA ZL2(愛機)のインカメラを31万画素のクソ仕様にした事だけはいまだに根に持っていますが、そうしたネタ要素まで全てひっくるめて、やっぱりソニーが大好きです。上述したような理由によってXPERIA Xシリーズにさほど驚きはありませんでしたが、スペックよりも「コミュニケーション」と「ライフスタイル」を意識したXPERIA Xの挑戦を見守っていきたいと思います。応援してるぜ、ソニー!



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手帳型カバーSCR56は、閉じたままXPERIA X Performanceを操作できる
手帳型カバーSCR58は、開閉にあわせて自動で画面ON/OFFができる
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背面カバーSBC30は、XPERIA X Performanceと同じカラバリ全4色

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