なぜ私は阪神タイガースのファンになり、今でも阪神が好きなのか？

今日3/27、プロ野球が開幕します。私は小学生の頃から阪神ファンです。タイガースのはっぴをパジャマ代わりにして、球団応援歌のCDを聴きながら育ちました。私が阪神を好きになった経緯と、なぜ今でもタイガースが好きなのかをお話したいと思います。

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はじめて観た試合で、代打満塁ホームランが飛び出した

小学生の頃に、初めてプロ野球の試合を見に行きました。阪神タイガース対横浜ベイスターズ。テレビで見ていた虎戦士たちが今、目の前で素振りをおこない、ライトからレフトに向かって遠投をしている。試合開始前の練習時から、私の興奮は最高潮に達していました。入場口で配られたマルハの魚肉ソーセージ（ベイスターズのスポンサーだった）を片手に、選手の一挙手一投足に目をこらしていました。試合は4回裏までベイスターズが2点をリードする展開。5回表に満塁のチャンスを迎えた阪神は、代打・星野修選手を送り出します。起用は見事的中し、大飛球は右翼席中段へと吸い込まれていきました。初めての野球観戦で見た記念すべき一発が、代打満塁ホームラン。シビれました。阪神最高や！って思いました。

試合終了と同時に、外野席からママチャリが投げ込まれる

星野選手が満塁本塁打を放った試合は、4-3で阪神が勝利をおさめました。試合終了直後、左翼席からグラウンドに向かって勢いよく投げ込まれたのはママチャリでした。道を走っているべきママチャリが、レフトフェンスを飛び越え、綺麗な放物線を描いている。星野選手のそれよりもインパクトがあったかもしれません。ママチャリが芝生に打ちつけられると、今度はオッサンがフェンスをよじ登ってグラウンドにダイブしました。道端を歩いているべきオッサンが、綺麗な放物線を描いている。生まれて十数年しか経っていない私には、衝撃的すぎる光景でした。マルハの魚肉ソーセージを握りしめながら、ママチャリに乗ったオッサンが警備員たちに追いかけ回される姿をあっけにとられながら見つめていたことを思い出します。阪神ファンのワケのわからなさを目の当たりにしつつも、阪神最高や…って思いました。

はじめてのCDが、阪神タイガース球団応援歌

小学生のころに初めて買ったCDアルバムが、阪神の球団応援歌でした。横浜戦ですっかりタイガースに魅了された私は、スポーツニュースで試合のハイライトをチェックし、新聞のスポーツ欄で打率10傑をチェックするのが日課になっていました。和田、久慈、新庄、亀山…それぞれに勇ましい応援歌が用意されていて、それを居間のオーディオで聴くことを楽しみの一つとしていました。

阪神のマグカップに牛乳を注いで、阪神のうちわを扇ぎながら、六甲おろしを聴く。格別でした。ゲームも漫画も無く、ほぼ無趣味だった私に用意された楽しみと言えば音楽を聴くことくらいで、家にあるのはクラシック全集かストーンズ、フロイドといったロック・アルバムのみ。ドヴォルザークに飽きてきた頃、突然やってきた六甲おろし。美しいバイオリンの音色は、やかましいトランペットに変わり、いつしか私は阪神タイガースを心から応援するようになっていました。

憧れの関西旅行。打ち砕かれた甲子園の夢

はじめての旅行は仙台・松島でした。小学生当時、歴史人物の伝記にはまっていて、足利尊氏のキーホルダーをプラ板で自作する程度に歴史が好きでした。毎日1冊ペースで講談社の伝記文庫を読み漁った末に、「伊達政宗に会いたい！」となって仙台へ。独眼竜との出会いを果たした私は、「大阪城を攻めたい！」との野望が募り、東京ディズニー家族旅行の計画を蹴って、大阪・奈良・京都寺院巡りをぶちあげました。綿密に練られたスケジュールによって、憧れの大阪城はもちろん、法隆寺や興福寺などのメジャーどころを楽しんだ私はふと、「関西といえば阪神…甲子園だ」と思い立って、タクシーの車内で運転手にたずねました。「ここから甲子園、行けますか？」。すると運転手は、「ここは大阪。甲子園は兵庫や…」と静かに教えてくれました。無念です。兵庫県まではあまりに遠く、スケジュールにも組み込んでいなかった。なにより、阪神を応援していながら、本拠地が兵庫県だということを知らなかった。家族も伝記も、そのことだけは教えてくれませんでした。甲子園の地に降り立つ夢は打ち砕かれてしまいましたが、西宮でタイガースの試合を観ることは今でも私の夢であります。いつか行きたい、阪神甲子園…！

90年代、ダメ虎の愛おしさ。00年代、待ち焦がれた猛虎復活

1990年代の阪神タイガースはダメ虎そのもの。99年までの10年間で最下位6回、Aクラス入り（3位以上）は1度のみ。人気選手となって勇退した桧山選手でさえも、90年代は「四番が桧山か…」と落胆せずにはいられないほどの迫力の無さでした。当時から人気の高かった新庄選手も、成績面ではパッとせず。「野球のセンスがないから」という理由で引退を宣言し、2日後に発言を撤回するネタっぷりには苦笑いを浮かべるしかありません。極めつけは、伝説の助っ人・グリーンウェル選手。球団史上最高年俸となる3億円で入団した彼は、開幕7試合目で自打球を足に当て、「野球をやめろという神のお告げ」と言い残してそのまま退団。90年代のダメ虎を象徴するエピソードの一つとして、今でも語り継がれる出来事です。

2003年。阪神が18年ぶりのリーグ優勝を果たします。暗黒の90年代にファンとなった私にとって、信じられない出来事でした。4人の選手が打率3割をマークし、アリアス選手は38本塁打。井川投手の20勝を筆頭に、伊良部、ムーア、下柳で33勝。7月終了時点で65勝26敗というぶっちぎりの成績を残すなど、本当に信じられないような活躍を見せつけてくれました。ガラガラの甲子園、強打者不在のスタメン、弱かった阪神がついに覚醒し、18年ぶりの優勝。おそらく今後阪神が優勝することがあっても、これほどの感動、感激は味わえないのではないかと思えるほどの喜びを味わいました。その後の阪神は、赤星、今岡、金本、矢野らスター選手の活躍もあって、安定した成績を残せるまでになりました。2010、2013、2014年、いずれもリーグ2位でフィニッシュしています。現在の阪神がどんなチーム状況にあろうとも、90年代の暗黒時代を思えばどうって事はありません。藤浪晋太郎という、次代を担う若きエースがいる。これだけでも十分すぎるほどの幸せを感じることができます。

（左から）ゴメス（阪神）、サンジェイ・メロートラ（サンディスクCEO）、ゴメス（2014年・打点王）

2015年3月27日。プロ野球開幕

本日3/27、ついにプロ野球が開幕します。タイガースの相手は、中日ドラゴンズ。阪神はメッセンジャー、中日は山井投手の投げ合いです。今年もマートンは好成績を維持できるのか。2年目のゴメスはどうなるのか。残留した鳥谷は？プロ3年目を迎える藤浪投手、期待に応えた呉昇桓投手のさらなる活躍にも注目が集まります。今現在、私の部屋にはタイガースはっぴもマグカップも残ってはいません。しかし、阪神を応援する熱い気持ちだけはあの頃のまま、変わっていません。今季は広島カープの黒田投手をはじめ、注目の選手が多数存在する面白いシーズンになりそうです。阪神ファンの皆さん、プロ野球ファンの皆さん、今年も応援を楽しみましょう！

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